行きたかった国への旅行、新しい人との出会い、ずっと興味があったことへの挑戦。「いつかやろう」と先送りしているうちに、人生はあっという間に過ぎていく。では、人生の最後に「あのときやっておけばよかった」と悔やまないためには、どうすればいいのか。書籍『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』(ジェームズ・ベイリー著)から、世界的な探検家や旅行作家が語る「後悔しない生き方」のヒントを紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

死ぬ前に「人生で大切な選択を間違えた」と悔やむ人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

史上こんな時代はなかった

「あのとき、一歩踏み出していたら、どんな人生になっていただろう」。人生の終盤になって、そんな思いに駆られる人がいる。失敗を恐れて安全な道ばかりを選んでいると、気づかないうちに、自分の世界を狭めてしまう。

 現代の私たちは、歴史上かつてないほど恵まれた環境にいる。旅行作家のサイモン・カルダーは、現代の旅の価値を次のように語る。

 こんなにも自由にほうぼうへ出かけていける世代は、いまだかつてありませんでした。
 昔よりもずっと安全に、お金をかけずに、地の果てまで(最近ではさらにその先まで)旅することができるのです。――『人生の意味』より

 これほど世界が拓かれているのに、多くの人は「またいつか」と言い訳をして旅に出ず、見慣れた日常にしがみついてしまう。カルダーは、冒険の本質をこう説いている。

 あちこちへ冒険に出かけ、何が私たちを結びつけているのかを学ぶ人間の能力こそが、進化の最大の偉業なのです。――同書より

 冒険とは、異なる文化とつながり、世界を理解するための人間ならではの能力だ。それを放棄することは、人間としての可能性を眠らせたまま生きるに等しい。

じつは「冒険」はいますぐできる

 また、世界的な探検家ベネディクト・アレンも、私たちの中に眠る本能についてこう語る。

 誰もが根っこのところでは探検家です。いてもたってもいられないこの気持ち、この探求精神こそが、僕らを人間たらしめているものです。――同書より

 何も過酷な極地へ行くことだけが冒険ではない。新しい場所へ行き、新しい人と関わろうとする「探求精神」に従うこと、それが私たちを人間たらしめている。老後に後悔を抱く人は、内なる探検家を自ら殺し、無難な日常という檻に甘んじてきたのだ。

「違う生き方があった」と悔やまないために必要なのは、今すぐ安全地帯から一歩を踏み出すことだ。探求精神を呼び覚まし、未知の領域へと出ていくことこそが、最期に「いい人生だった」と微笑むための鍵なのである。