この内容で価格が600万円を切るなら、
なかなかお買い得

 フロントシートにはヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能を備え、季節や走行シーンに応じたリラックス体験を実現している点が素晴らしい配慮だと感じた。

 リアシートはちょっと高めの着座ポジションだが、頭上空間には余裕がありくつろげる。3分割でリクライニングが可能となっており、前倒しすると広いラゲッジスペースが出現。荷室はけっこうフラットで奥行きもあるので、車中泊にも使えそうだ。

 メカニズムはステランティス・グループの最先端である。電動化に配慮したSTLA-Mediumプラットフォームが採用されており、独自のプログレッシブ・ハイドローリック・クッションを備えた足回りと組み合わせている。パワートレーンは1.2L直3ターボとモーターで構成する48VマイルドHV。システム出力は145psでWLTCモード燃費は19.4km/Lをマークする。

 走りは、生粋シトロエン・フィール。同様のメカを持つプジョー5008とは味わいがはっきりと違う。全体にシャープな印象の5008に対してC5はいい意味でおっとりとした性格である。足回りはきわめてしなやかでたっぷりとしたストローク感が印象的。リアサスペンションがビーム式とは思えない快適な乗り味だ。乗り心地のよさはクラストップ。シトロエンに対する期待を裏切らない。どこまでも走っていきたくなる。

 パフォーマンスは実用十分。車重は1630kgだが加速力は頼もしく、もたつくことはない。アクセルをワイドオープンするとなかなかの速さを披露する。高速時の安定性も模範的。C5エアクロスはハイウェイクルーザーとしての適性も高い。

 静粛性もハイレベル。市街地では頻繁にエンジンが停止しモーター走行するが、いつ止まって再始動したのかわからないほどだ。ただしオールシーズンタイヤの影響か、路面によってはややロードノイズが耳につくシーンもあった。

 新型C5エアクロスは外見もなかなか見映えするし、ソファのようなインテリアの居心地もよく、走りの仕上がりも上々だった。この内容で価格が600万円を切るなら、なかなかお買い得ではと思えた。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也+横田康志朗)

CAR and Driverロゴ