新型ヤリスクロス ハイブリッドZ(FF)
フレッシュな味わい。高機能設計
ヴェゼルの“フィット派生のクロスオーバーSUV”というキャラクターを考えると、ライバルの第1候補はヤリスクロスだと思いがち。だが、車両ポジショニングはヴェゼルのほうが半ランク上。ワールドワイドで見ると、今年日本でも発売予定のカローラクロスのほうが拮抗する。
ヤリスクロスは新鮮さが魅力だ。エクステリアはウルトラマンを彷彿させる力強く精悍なフロントマスク、大胆なクラッディング処理のサイド、ハリアーのようにくびれからつながるリアなど、オン/オフどちらにも映える。
一方、インテリアはヤリスとの共通性を感じる。大型液晶を用いたメーターやSUVの骨太さを表現したインパネセンターなど、若干の専用化が施されているが、イメージはそのままだ。
居住性は良好。短いホイールベースながら後席スペースにも余裕がある。とはいえ、ヴェゼルと比べると前席優先。ラゲッジは40対20対40の分割シートやデッキボードなどのアイデアで、見た目以上の収納力を誇る。
パワートレーンは1.5Lガソリンとハイブリッド。プラットフォームはヤリスと同じGA ―Bをベースに、クロスオーバー化による全高/重心の高さをトレッド拡大でカバー。摺動ロスを大きく低減したショックアブソーバーと第3世代EPS制御を盛り込む。
フットワークはヤリス譲りの高い基本性能に“重厚さ”と“穏やかさ”がプラスされた。SUVというよりも、よくできたハッチバックの印象が強い。