感じのいい人が「お世話になっております」にチョイ足ししている言葉とは?ウェブメディアコンサルタントの東香名子さん

メールやチャットが主流になっても、商談や打ち合わせでは対面の第一声が印象を大きく左右する。長年、言葉遣いを研究してきたウェブメディアコンサルタントの東香名子氏は、定番の「お世話になっております」だけでは機械的に聞こえることがあると指摘する。相手との距離をさりげなく縮める「感じのいい人」がチョイ足ししている最強のフレーズを教えてもらった。(ウェブメディアコンサルタント・コラムニスト 東 香名子)

「最初のひとこと」が
印象を大きく左右する

 商談や打ち合わせで相手と顔を合わせた瞬間、決まり文句のように出てくる「お世話になっております」という言葉。日頃の感謝を伝えるために、ほとんど反射的に使っている人も多いのではないでしょうか。ですが、定型文のような言葉は、ときに機械的で素っ気ない印象を与えてしまいます。

 私は、人々の心に響く「バズる言葉」について日々研究をしています。バズる文章と同じで、対面のコミュニケーションも「最初のひとこと」が印象を大きく左右します。

 直接伝えるからこそ、そこに温度感がないと、なんとなくドライな印象を与える「お世話になっております」。感じのいい人は、あるフレーズをちょい足しして、好印象をかっさらっています。

 そもそも、なぜ私たちは仕事相手に会うとき「お世話になっております」と言うのか。この言葉には、日本のビジネスシーンにおける「型」としての役割があります。挨拶(あいさつ)がわりに「お世話になっております」を使うことで、相手への敬意と、これまでの関係性を尊重する姿勢を示せます。

 しかし、このフレーズは誰に対しても、どんな場面でも使える汎用(はんよう)性の高さゆえに、形骸化しやすいという弱点も抱えています。

 気持ちをこめずに言えば、相手は「決まり文句を言っているだけだな」と感じてしまいます。心の距離が縮まらないまま本題に入ってしまうことも少なくありません。

 感じのいい人は、ドライな決まり文句だけでは終わらせません。対面だからこそ、相手の顔、声のトーン、その場の空気を感じ取ったうえで、気の利いた一言をちょい足ししています。それだけで「この人はきちんと自分を見てくれている」という印象を与えることができるのです。

 では、感じのいい人は具体的にどんな一言を添えているのか。見ていきましょう。