「仕事が多すぎて、締切に間に合いませんでした」。仕事が終わらなかったとき、つい「時間がなかった」と説明したくなるものです。しかし、同じように限られた時間で働いているのに、期限どおりに仕事を終わらせる人もいます。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、限られた時間で成果を出す人の仕事の進め方を紹介します。

「時間がなくて終わらない」は二流。一流は、どうしている?Photo: Adobe Stock

「時間がなかった」の前に考えるべきこと

仕事が終わらなかったとき、「時間が足りなかった」と考える人は多いでしょう。

しかし、その前に一つ確認したいことがあります。

「そもそも、その仕事は何時間あれば終わる仕事だったのでしょうか。」

例えば朝9時に「今日はこの資料を完成させよう」と決め、夕方17時になって半分しか終わっていなければ、「時間が足りなかった」と感じます。しかし、その資料がもともと12時間かかる仕事だったとしたら、8時間しか確保していない時点で終わるはずがありません。

問題は「時間がなくなった」ことではなく、最初から必要な時間を把握しないまま仕事を始めていたことにあります。

「終日作業」では、終わる保証はない

例えばカレンダーに「終日作業」と入れれば、たっぷり時間を確保したような気持ちになります。

しかし、「一日空けた」ことと「一日で終わる」はまったく別の話です。必要な作業を分解し、「データ収集に2時間、資料作成に1時間、確認と修正に1時間」と考えれば、合計3時間かかるとわかります。それなのに実際に使える時間が2時間しかなければ、その計画では最初から終わりません。

一流は「時間がない」と事前に気づく

ここで差がつきます。

仕事が終わらない人は、締切になってから「時間がありませんでした」と報告します。一流の人は、計画を立てた段階で「時間が足りません」と気づきます。仕事を前からステップ・バイ・ステップで考え、「これに1時間、その次に1時間、確認に1時間……」と進めていけば、締切までに必要な時間が収まるかを事前に確認できます。

そして、足りないとわかったら、その時点で上司やチームに相談するのです。「このままだと金曜日には終わりません。ここの作業を来週に回せませんか」と。

一流は「仕事量」を調整してから走り出す

限られた時間の中で成果を出すというと、「人より速く働く」「休憩せずに頑張る」といった姿を想像するかもしれません。

しかし、一流の人ほど、無理な量を根性で終わらせようとはしません。まず「この仕事には何時間必要か」と「自分には何時間あるか」を比べます。そこで時間が足りなければ、仕事量を減らす、優先順位を変える、期限を延ばす、他の人に仕事を渡すといった相談をするのです。

つまり、一流は「時間がないのに全部やる方法」を考えているのではありません。「時間がないなら、何をやらないか」を仕事が始まる前に決めているのです。