転職しようと思ったとき、多くの人はまず求人を探します。しかし、1万人以上のキャリア相談に携わってきた中村浩一郎さんは、「その前にやることがある」と言います。「叶えたいことは何か」「解決したいことは何か」「欲しいものは何か」。『幸せな転職』(きずな出版)の著者が語る、会社を探す前に自分に聞くべき3つの質問とは。
Photo: Adobe Stock
転職活動は、求人を見るところから始めない
転職しようと思ったら、まず求人サイトを開く。年収、仕事内容、勤務地、会社の知名度を見比べる。普通はそう考えると思います。
でも、中村浩一郎さんによれば、ここから始めてしまうこと自体が、転職で後悔する原因になりかねないそうです。
私が毎朝5時55分から開いている「1分朝活」に来ていただいた中村さんは、これまで1万人以上のキャリア相談に携わってきました。そんな中村さんが、転職を考えている人に最初に問いかけるのが、次の3つです。
「叶えたいことは何ですか」
「解決したいことは何ですか」
「欲しいものは何ですか」
求人を見るのは、そのあとです。
この3つがわからないまま会社を探すと、「給料が高い」「有名な会社だから」「面白そうな仕事だから」と、目の前に出てきた条件に引っ張られます。でも、自分が転職によって何を叶えたいのかがわかっていれば、見るべき会社も、集めるべき情報も変わってくる。
中村さんの話を聞きながら、幸せな転職は「会社探し」の前に、もう始まっているんだと思いました。
知らない会社を探すより、「知らない人」に会いにいく
もう一つ面白かったのが、中村さんが転職活動で「出会うこと」をとても大切にしていることです。
ただし、闇雲に人脈を増やせばいいという話ではありません。
以前の上司や先輩に会ってみる。興味のある分野について発信している人のセミナーに行ってみる。自分の知らない会社や仕事について、実際にそこで働いている人に聞いてみる。
そのときも、何も調べずに「教えてください」ではない。相手の会社や仕事について自分なりに調べたうえで、「ここがわからない」「実際にはどうなんですか」と聞きにいく。
そうやって、自分が持っていなかった情報を取りにいくのです。
転職活動というと、応募書類を書いて、面接を受けることだと思いがちです。でも、中村さんにとっては、転職活動そのものが「自分の知らない世界に出会う時間」なんですね。
転職活動をダラダラ続けない。「100日」で区切る
中村さんから聞いて、これは実践的だと思ったのが、
「転職活動は100日以内に終える」
という考え方です。
転職しようと思った直後は、誰でもやる気があります。ところが、今の仕事を続けながら求人を探し、書類を書き、面接を受けていると、だんだん疲れてくる。連絡が遅くなり、活動量も落ちていきます。
だから、期限を決めて集中する。
そして100日やって決まらなければ、惰性で続けるのではなく、一度止まってみる。「そもそも自分は何を求めていたんだろう」と、最初の3つの質問に戻ってみる。
ずっと走り続けるより、一度仕切り直したほうがいい場合もあるのです。
欲深くても、格好悪くても、それが今の自分なら認める
中村さんが何度も話していたのが、「自分の気持ちに素直になる」ということでした。
「こういう仕事を選ぶべきだ」
「この年齢なら、これくらいの年収が必要だ」
「世の中では、こういう会社が評価されている」
そういう外から入ってきた声を、自分の本音だと思い込んでいることがあります。
でも、本当はもっとお金が欲しいのかもしれない。もっと自由な時間が欲しいのかもしれない。肩書が欲しいのかもしれない。
欲深くてもいい。格好悪くてもいい。
それが今の自分の本音なら、まず「そう思っているんだな」と認めるところから始める。
転職そのものが人生の目的ではありません。だからこそ、どの会社に入るかを考える前に、「自分は何を叶えたいのか」を考える。
求人サイトを開くより前に、転職はそこから始まっているのだと思います。








