夫は妻の言動で適応障害に?
夫が集めていた証拠とは?
「夫は自分の適応障害の診断書を盾に、離婚してほしいと言ってきています。自分の方が被害者だ!という顔をして」
ここで、読んでいる方は、そこまでされてなぜすぐに離婚しなかったのか?と思うかもしれません。
私も同じことを聞きました。茜さんは迷いなく「離婚したくないわけじゃないんです。ただ、このまま私が悪い妻でしたという形で終わるのだけは、どうしても納得できなくて」と答えました。
娘さんはまだ3歳です。これから20年近く、育てていかなければなりません。
離婚調停は、慰謝料も、養育費も、別居中の生活費も、「どちらに非があったのか?」を前提にして話が進みます。
つまり、航平さんが用意した「妻の言動で私が病んだ」という構図のまま離婚すれば、不利な条件になる可能性があります。
不貞をした側から離婚を求めても、望むような要件は認められにくいので、航平さんは先に「自分は被害者だ」という記録をそろえてきたのです。
茜さんは心が限界に達して家を出た後、落ち着いてからようやく航平さんの不貞について調べる気力が戻ってきました。
茜さんの話を聞きながら、茜さんの行動の順番がいちばん悔しく思いました。動けるようになってから動くのでは、間に合わないことがあります。
気持ちが動いた日と、証拠を残すべき日は、多くの場合で一致しないのです。
ここからが、このケースの本当に厄介なところです。
これまで、航平さんは不貞に関して口論になるたびに、スマートフォンで会話の録音をしていたのです。
茜さんは、航平さんの対応の不誠実さに「ひどい言葉をぶつけたり、物を投げて壊したりしたことが何度もあります」と正直に話してくれました。
それは何度も浮気をされた側としては無理もないことだと思います。しかし、航平さんによってその部分だけが、上手に切り取られて証拠として残ってしまっていたのです。
「私が悪かったところもあります。認めます。でも」







