データは揃っているのに
なぜ伝わらないのか?

「私が話をすると、部下がわからなそうな顔をする」

「データは揃っているのに、なぜかプレゼンが通らない」

 丁寧に説明しているし、数字も出している。市場分析も抜かりない。

 なのに、なぜか相手の反応が鈍い……。

 もしあなたがこんなことを感じているのであれば、それは「話す順番」を間違えているのかもしれません。

「ロジカルスピーキング」とは、情報を論理的な筋道に沿って整理し、相手にわかりやすく、説得力をもって伝えることです。

「情報をきちんと並べればよいのね」と思う方もいますが、「ロジカル」とは、あくまでも聞き手が判断できる状態をつくることです。

 プレゼンや経営会議などでは、相手は理解だけでなく、決断を求める場合も多いでしょう。ここを外すと、どれだけ内容がよくても、評価は伸びません。

 家電メーカーに勤める山田部長(仮名)も、同じ壁にぶつかっていました。

 商品開発のプロとして社内評価は高いのですが、いざ役員会での新製品プレゼンとなると、なかなか投資承認が下りないのです。

「データも裏付けも資料も万全なのに、なぜだろう……?」と、悩んでいました。

 実際のプレゼンは、こんな始まり方でした。

「本日は、『新型ハイブリッド除湿エアコン』についてご説明します。まず市場環境からお話しします。こちらが猛暑時のエアコン需要の推移でして、次に除湿器の競合状況を見ますと、当社の強みは二刀流のハイブリッド設計ですが……」

 一見、丁寧な説明のようですが、致命的な欠落がありました。

 最初に「何を決めてほしいのか」が示されていなかったのです。

 投資承認なのか、事業化決定なのか、それがわからない。

 役員の頭には小さな「?」が浮かびます。

 市場データや競合分析が続き、聞き手が一番知りたい「いくら利益が出るのか?」「リスクは何か?」「お客様の反応予測は?」があと回しになっています。スライドをそのままなぞる説明では、「資料を読めばわかるだろう」と感じさせてしまいます。

 その結果、「情報量は多いのに、結論が見えない」という印象だけが残りました。