41種類の青色を
シラミ潰しに比較する
しかし、ここまでは始まりにすぎなかった。Googleの幹部らは、緑がかった青も、まだ答えと言うには十分でないと気づいたのだ。そこで、当時Googleのユーザーエクスペリエンス担当副社長を務めていたマリッサ・メイヤー(元Yahoo!CEO)は、さらに系統的な検証を行うことにした。全41種類の青色を用意して、もう一度RCTを実施することにしたのである。
そしてGmailのユーザーを対象に同様の検証を行った結果、Googleは勘や思い込みからではなく、具体的な分析を通して、最適な青を見つけ出すことに成功した。試行錯誤を経て、答えにたどり着いたのだ。
こうしたアプローチは、今やGoogleの意思決定の要だ。2010年時点で、同社は年間1万2000という驚くべき数のRCTを実施している。
Google UKのマネージング・デイレクター、ダン・コブリーによれば、青の色調を変えた結果、年間売上が2億ドル(約200億円)もアップしたという(注2)。
「議論より実験」で成長した
キャピタル・ワン
しかしRCTを数多く実施することで一番有名なのは、米クレジットカード会社のキャピタル・ワンかもしれない。創業者はリッチ・フェアバンクとナイジェル・モリスという2人のコンサルタントだ。
実証実験の経験があった彼らは、同社を創業した際、「物事をできる限り幅広く、理知的に検証する」というひとつの目標を掲げた。たとえば、新たなクライアントを勧誘する手紙の書式を決める場合、悩むことがたくさんある。色は赤がいいか、青がいいか?フォントはタイムズ・ニュー・ローマンか、カリブリか?
フェアバンクとモリスは、討議ではなく検証を行った。彼らはランダムに選んだ5万世帯のグループをふたつ作り、まずそれぞれに違う色の手紙を送って、採算性を比較した。その後、同様の検証をフォントや文面、さらにコールセンターの台本などでも試した(注3)。







