日常でバウンダリーベルトをつくる場というのは、意外に少ないものです。だからこそ、ときには「サードタイム」をつくって、誰かと思いや考えを分かち合ううれしさや楽しさ、一体感を味わうことも大切ではないでしょうか。

「境界線」を広げ、
心身を解放してくれる場所

 利害関係のない場所にいるとき、人はいちばん心身が解放され、自由になることができます。それが、職場でも家でもない3つめの居場所「サードプレイス」です。

 子どもは「サードプレイス」をつくるのが上手で、公園や親戚の家など、気ままにすごせる場所を積極的に見つけていきます。一方、大人は「サードプレイス」をもっている人が少なく、自ら「境界線」を狭めているようにも見受けられます。

職場でも家庭でもない
3つめの居場所「サードプレイス」

 上下関係やルールに縛られる職場でもなく、自由だけれど家族ならではのめんどうくささやしんどさがある家庭でもない、3つめの居場所。ときには利害関係とは無縁の場所で自分を解放し、「境界線」を引き直してみるのもよいでしょう。

イラスト:サードプレイスイラスト:高木ことみ 拡大画像表示

 僕はそんな大人のための「サードプレイス」がほしくて、援助職の方向けの居場所をつくりました。

 そこでは僕が食事をつくり、集まった人たちは音楽を聴いたり映画を観たりと自由にすごすことがあります。ときには真面目な話が始まって、相談会のようになることもありますが、話の輪から外れてもくつろげるようにソファも用意しています。援助職は大変な仕事ですが、ここで自由にすごし、同業の人たちに悩みやつらさを吐き出すことで、しぜんと「境界線」を引き直しているのです。

「サードプレイス」をつくるさいのポイントは、競争や目標がなく、あまりお金がかからない場所を選ぶこと。ですから、エステや整体といった1回で数千円かかるような場所や、習い事のように「うまくなったほうがいい」「コンテストに入賞したい」といった競争や目的ができてしまう場所は、「サードプレイス」とはいえません。

 会社帰りにある居酒屋で、主人や女将と言葉を交わしたり、隣り合わせた人と意気投合したりして息抜きをする。趣味を通じて知り合った人たちと、週1回のティータイムを楽しむ。利害関係のない相手と自由にすごすことで、心身が解放されて、しぜんと職場や家庭との「境界線」をうまく引けるようになっていきます。