マネジャーが「プレイングマネジャー」化して苦戦している組織のほとんどは、この状況になっているのではないでしょうか。マネジャー自身がチームの最高戦力であるエースとして、プレイングしている部分では成果が出せているものの、メンバーは頑張って動いてもなかなか成果創出に至らない。
マネジャーは「自分は頑張っているのに……」「自分があと2人いれば……」「このメンバー構成で勝てるイメージが湧かない」と未来が見えずに閉塞感を抱いてしまうケースが多いです。
『マネジャーのための時間管理術で最高のチームをつくる方法』(川内正直、翔泳社)
一方で、このケースのBさんやCさんにあたるメンバー側も、この状況が続くと、「成果を出せるようになるまでどれくらい時間がかかるのか見えない」「成果が出せていなくてしんどい」「そもそもこの仕事に自分は向いていないのでは……」という不安や徒労感を覚えるようになります。
さらに、「エース社員が成果を出せているのは、契約獲得しやすい簡単なお客さまを担当しているからで、自分たちは難易度の高いお客さまを割り振られているのでは?」と疑心暗鬼に陥ってしまうこともあるかもしれません。
ここまでの心境になってしまうと、勝てるものも勝てなくなってしまうというのは、容易に想像できるのではないでしょうか。
では次に、一人ひとりが独立して動くのではなく、チームとして役割分担を話し合い、時間を全体で有効活用するというパターンを考えてみましょう。
一人ひとりの時間を組み合わせる
「短期掛け算型組織」
3人が事前に話し合い、能力差があることを前提にしながら、チームとしての成果を最大化できるように作戦を考えました。
パターン(2)-1 短期掛け算型組織
具体的には、Cさんはチーム全体のお客さまのステップ1を担当する。Bさんはすべてのお客さまのステップ2と3を担当する。Aさんは同様にステップ4と5を担当する。
同書より転載。イラスト/村山宇希(ぽるか) 拡大画像表示
その結果、組織全体の成果(契約獲得)は「5件」に到達し、当初のチーム目標3件を大きく超える結果を出すことができました。
つまり、同じ人員・同じ労働時間であっても、使い方・組み合わせ方次第で成果は大きく変わるということです。個々人の貢献(できること・能力)を活かして、時間を組み合わせることが重要になります。
単純な頭数の足し算ではなく、チームだからこその協力体制を構築する。これを「掛け算型組織」と呼びます。
それぞれの時間が連続して有効に積み上がることで、個々でバラバラに戦う形では到達できないラインに手が届くーーこれが掛け算型組織の威力です。







