同じ仕事を頼んでも、すぐに終わらせる人もいれば、いつまで経っても終わらない人もいます。「作業スピードが違うから」と思うかもしれません。しかし、本当にそれだけなのでしょうか。今回は書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、「仕事が速い人」と「遅い人」の決定的な違いについて紹介します。

職場にいる「仕事が遅い人」は、なぜあんなに遅いのかPhoto: Adobe Stock

手を動かす速度には大きな差はない

私は、仕事が速い人と遅い人で、「手を動かす速度」そのものには、それほど大きな差がないと考えています。

「ショートカットキーが使える」などは明らかに早くなりますが、それでもせいぜい1.5倍くらいが関の山でしょう。しかし、「作業」ではなく、その前にある「計画」なら、それ以上の差がつきます。仕事が速い人は、作業を始める前の準備に時間を使っています。この「先回り」ができるかどうかで、仕事が終わるまでの時間には10倍もの差がつく、と私は考えています。

遅い人は「本当にかかる時間」を読めていない

たとえば、上司に提出する資料を金曜日までにつくるとします。仕事が遅い人は、「資料作成には3時間くらいだから、金曜日の午後からやれば間に合う」と考えます。しかし、実際には完成したあとに上司へ確認をお願いし、指摘を受け、修正する時間も必要ですよね。

仕事が速い人はそこまで考えて、「上司の承認が必要だから、木曜日には一度見せないといけない。なら、水曜日にはつくり始めよう」と逆算します。自分が手を動かしている時間だけではなく、「仕事が完了するまでに何日かかるか」を読めていると、こういった動きになるのです。

「全員にアンケート」なら、今日送っても今日集まらない

例えば「社内の10人からアンケートを集める仕事」で考えていみましょう。

アンケートフォームをつくって送るだけなら、1時間もかからないかもしれません。しかし、それで仕事が終わるわけではありませんよね。すぐ回答してくれる人もいれば、数日後に回答する人もいます。返信がなければ催促も必要です。全員分を集めるのに、1日で終わるわけありませんよね。

ところが先回りできない人は、締め切り直前になってアンケートを送り、「まだ全員から回答が来ていないので終わりません」という事態になります。たとえ作業自体は速くても、仕事全体の時間を読めていないのです。

仕事が速い人は、手を動かす前に仕事を進めている

仕事が遅い人は目の前の作業だけを見ているため、途中で「上司の承認が必要だった」「回答がまだ集まっていない」と気づき、期限に遅れてしまいます。

しかし、仕事の速さを決めるのは、手を動かす速さだけではありません。自分が手を動かせない時間まで先に読めるか、が重要なのです。