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ANAは上級会員向け特典の改定案に批判が殺到したため、9月中にも見直し案を出す。どんな内容になりそうか、「失敗の本質」を考察すると、3つのシナリオが浮かぶ。(航空ジャーナリスト 北島幸司)
「改悪だ!」上級会員から批判で
ANAが再検討に追い込まれた顛末
ANAが4月に発表した「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の制度改定が、異例の展開を見せている。その改定内容は、2028年4月からSFC会員を年間決済額によって「SFC PLUS」と「SFC LITE」に分け、300万円以上ならANAラウンジとスターアライアンス・ゴールドを維持する一方、300万円未満ならラウンジ利用不可、スターアライアンス・シルバーへ変更するもの。
しかし、既存会員にも一律適用する内容にSNSなどで大反発が広がった。ANAはこれを受けて6月25日、「改定内容について見直しを検討している」と表明。詳細は9月末までに改めて案内するという。
では、ANAは何を見直すのだろうか。筆者は、単純な「全面撤回」ではなく、SFCの価値を残しながらラウンジ混雑と収益性というANA側の課題を解決する修正版になる可能性が高いとみている。
「300万円でラウンジを買うのか」
SFC会員に広がった違和感
今回の問題は、単にラウンジが使えなくなることではない。SFCは、ANAを利用して一定の条件を満たした人が、その後もANAカードを保有することで上級会員相当のサービスを継続的に受けられる仕組みとして定着してきた。
しかし今回の改定案では、年間300万円という新たな基準が設定された。ANAからすると、SFC会員の増加によって主要空港のラウンジが大混雑しているという看過できない事実がある。ANAの平沢寿一社長は6月の株主総会で、「今のままではサービス品質を維持するのが難しいという判断があった」などと経緯を説明した。
一方、会員側からは「300万円の壁でシルバーに格下げは厳しい」「長年の顧客への配慮がない」「マイル修行の努力が水の泡」といった反発が相次いだ。他方で、「ラウンジが混みすぎているから利用者を絞るのは仕方がない」「本当の上級会員を優遇すべきだ」という指摘もある。
つまり今回の騒動の本質は、単純な「改悪反対」ではない。ANAが考える優良顧客と、SFC会員が考える優良顧客に、ズレが生じているのではないだろうか。
ANAは「ユナイテッド流」を
日本に持ち込もうとした?
筆者がSFC改定案を見てから気になっているのが、ユナイテッド航空のロイヤルティプログラム「マイレージプラス」との類似性だ。ユナイテッドは近年、自社便の搭乗だけでなく、クレジットカード利用などを含め顧客が自社にもたらす総合的な収益を重視する方向へシフトしている。
航空会社にとって、クレジットカード会社にマイルを販売するビジネスは、重要な収益源だ。そのためマイル会員に対しても、「どれだけ飛行機に乗ったか」のみならず、「自社の経済圏をどれだけ利用したか」で評価しようとしている。







