ANAのボーイング787-9新ビジネスクラス「The Room FX」は個室感がありリクライニングしないのが特徴 Photo:ANA
ANA、JALの国際線用ボーイング787-9に焦点を当て、スペックを徹底比較した。「新しさ」を打ち出すANAと、伝統や安定を追求するJAL、戦略の違いが浮かび上がる。(航空ジャーナリスト 北島幸司)
ANAとJALのボーイング787-9
シートやモニターを徹底比較!
ANAとJALの競争が、新たな局面を迎えている。2社とも安全性とサービス品質において世界最高水準を維持してきたのは共通するが、機材刷新のタイミングや客室内の設計思想は相反する点がある。
まず、JALが2024年1月に国際線に最新鋭大型機エアバスA350-1000を導入し、個室型ファーストクラスやビジネスクラスで先行する一方で、ANAは次世代の大型フラッグシップ機であるボーイング777Xの導入が、メーカー側の製造遅延により大幅にずれ込む事態に見舞われている。
しかしANAはこの停滞を打破すべく、主力中型機であるボーイング787-9の機内全面刷新という大胆な手に打って出た。ファーストクラスを設置せず、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラスで、従来を凌駕する水準にアップグレードしたのだ。
そこで、両社の国際線の中核機材である787-9に焦点を当て、スペックを徹底比較してみた。ANAの戦略がJALとどのように対峙し、次元の違う新たな競争軸を生み出しているのか、詳しく見ていこう。
ビジネスクラスにおける個室化と
機内空間の最適化
ANAが導入する新仕様のボーイング787-9の、最大の注目点はビジネスクラスの新シート「THE Room FX」だ。これは同社のボーイング777-300ERで好評なドア付き個室シート「THE Room」のコンセプトを、機体幅が約40cm狭いボーイング787向けにアレンジしたもの。
特徴は、限られたスペースでプライバシーを確保し、ドア付きでリクライニングしなくともフルフラットになること。この設計プロダクトは25年のパリ・エアショーで発表され、26年4月にはエアクラフトインテリアエクスポのクリスタルキャビンアワード「客室コンセプト」部門で受賞もしている。







