朝からずっとパソコンに向かっている。メールにもすぐ返信するし、頼まれた細かい仕事もどんどん片づけている。それなのに夕方になると、なぜか「今日絶対にやらなければいけなかった仕事」が残っている。そんな人はいないでしょうか。今回は書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、仕事が終わらない人が陥りやすい意外な落とし穴を紹介します。

職場で「ムダな作業ばかりしている人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

ムダな作業ばかりする人は「作業に逃げている」

仕事には、実際に手を動かす「実行」だけでなく、その前に「何を、どの順番で、いつまでにやるか」を考える「計画」が必要です。

しかし、この「考える」という作業は面倒です。なぜなら、何から始めればいいのか、どれくらい時間がかかるのか、誰に何を頼む必要があるのか……と、すべて頭を使わないといけないからです。

本書では次の言葉を紹介しています。

「作業に逃げるな」

これが「作業に逃げる」という状態です。

答えがすぐには出ないので、つい「とりあえずメールを返そう」「先に簡単な作業を終わらせよう」と、手を動かせる仕事に逃げたくなってしまうのです。

「働いている感」があるから気づきにくい

厄介なのは、作業に逃げていても、本人は実際に働いていることです。メールを1通返せば受信箱はスッキリします。細かい事務作業を3つ片づければ、タスクも3つ減ります。手を動かしているので、「今日はかなり仕事をした」という感覚もあります。

しかし、本当に重要なのは「何個終わらせたか」ではありません。今日絶対に進めなければならない仕事が進んでいるかどうかです。重要な仕事ほど、最初に考えることが多く、取りかかるハードルも高いものです。だから計画を避けていると、簡単な作業ばかりが終わり、肝心の仕事だけが残っていきます。

「絶対に間に合わせる仕事」が後回しになる

たとえば、金曜日が締め切りの重要な企画書があるとしましょう。

それなのに、月曜日からメール返信や資料整理など、目の前にある仕事を順番に片づけていたら、どうなるでしょうか。木曜日になってようやく企画書に取りかかり、「データを別部署からもらわないと書けない」と気づけば、もう間に合いません。月曜日の時点で計画していれば、先にデータを依頼できたはずです。

「何からやるべきか」を考えずに作業を始めると、重要度ではなく「今すぐできるかどうか」で仕事の順番が決まってしまうのです。

手を動かす前に「考える時間」をつくる

仕事が終わらないときほど、「もっと手を動かさなければ」と焦ってしまいます。

しかし、そんなときに必要なのは、むしろ一度手を止めることです。今日やる仕事を並べ、「絶対に間に合わせなければいけない仕事は何か」「そのために今やっておくことは何か」を先に考える。

忙しいときほど、簡単に終わる仕事から手をつけない。「作業に逃げるな」は、この本質をよく表しています。