
環、絵を新聞社の人に売り込む
「絵を仕事にしたいの。やらせてください」とお願いする環に対するりんの反応は親あるあるだ。
「絵を描いてどうやって生きていくの? 稼ぐ手立てはあるの?」
「絵を描きたいなら結婚して家の事やりながらでもできるじゃない。結婚は? しないつもり?」
稼げるのか、結婚はしないのか。好きなことは結婚して趣味でやればいい。ごく一般的な考え方である。
「女が自分の力だけで生きていく厳しさはわかってるつもりです。私は…お母さんを見てきたから。もう決めたから。私に夢を持てるようにって言ってくれたのはお母さんだよ」
りんは環の意志の強さを試したのだろうか。環は見事にりんのことを例に出して、自分なりの答えを返した。
りんは、夢に向かって一足飛びできるわけではなく、実現する方法を考える現実的な対処を助言する。そこはしっかりしたお母さんだ。
環は仏壇のおばあ様・美津(水野美紀)に手を合わせる。孫とおばあさんの似顔絵は美津だった気がする。貞(根岸季衣)かなと思ったが、環にとっての近しいお祖母様は美津だ。
りんは直美(上坂樹里)に「お母様もこんな気持ちだったのかなあと…」と話す。
「もし明と同じようなこと言ってきたらどうする?」「心配よね…」と母親談義。
その明はのちに「呉服屋さんになる」と無邪気に言う。しのぶ(木越明)の息子・茂と仲良くしているから影響を受けているのだろう。子どもは身近なものに影響される。いろんなものに触れさせて可能性を広げることが大事なのではないだろうか。押し付けない程度に。
環は再び、シマケン(佐野晶哉)の家に行く。そこにはわざわざ綿貫(小松和重)が絵を見に来ている。
シマケンが熱心に口をきいたようだ。記者の性(さが)なんて言ってるが、編集部のセットが建てられないのだろう。ふつう、編集部に訪ねに行くよね。ド新人なのだから。
「写真でも広告でも何でも描きます。仕事にしたいんです」と売り込む環。
女流画家は珍しい。
「過酷な道のりだ。素質はあっても、そんなやつはごまんといる。分かってる?」
「はい。いいえ。分かってないのかもしれません。けど、やってみないとわからないので」
若さの可能性を潰すことなく、綿貫は名刺をくれる。「休みの日でもまた見せに来るといい」という。余計なお世話だが学校が休みの日は新聞社も休みなんじゃないだろうか。







