化学の単位「モル」は、すべての原子・分子の基準である「炭素12」の12gに含まれる原子の数を表している。この数を示したのが「アボガドロ定数」だ。化学の基礎として有名な定数だが、実はアボガドロ本人は、この数値を突き止めていない。1909年に実験で初めて数を決定し、彼の功績を称えて命名したのは物理学者ペランだった。1モルあたりの質量「モル質量」や、計算時に欠かせない「有効数字」のルールまで、目に見えない粒子の世界を捉える知恵と歴史を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から解き明かす。
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モル
科学者は物質中の粒子の個数を表すのに、モルというSI単位を使う。
一個一個の原子はあまりにも小さいので、直接測定するのはまず不可能だ。
モルはmolと略される。

炭素12は原子核の中にちょうど6個の陽子と6個の中性子があり、正確な測定が比較的容易にできる。炭素12の原子量が正確に12と定められていて、これがすべての原子や分子の質量の基準となっている。
12gの炭素12に含まれる原子の個数は、アボガドロ定数(6.022×10^23)に等しい。
ものの種類にかかわらず、「何かが1モルある」というのは、
そのものが6.022×10^23個(602200000000000000000000個)あるという意味だ。

アボガドロ定数を導き出したのは、実はイタリアの科学者アメデオ・アボガドロではない。
アボガドロは1811年、体積・温度・圧力の等しい2つの気体試料には、互いに同じ個数の分子が含まれているはずだと唱えた。
1909年にフランスの物理学者ジャン・バティスト・ペランが、実験によってその個数を初めて決定し、アボガドロの説が正しいことを証明した。
ペランはアボガドロの科学的功績を讃えて、その数にアボガドロの名前を付けたのだ。
原子量とモル質量
1molの炭素12は6.022×1023個で、質量は12gである。
このように、1molあたりの質量を、モル質量という。
炭素12原子1個の原子量は、12と表される。その単位を原子質量単位(amu)という。
計算をする際には、有効数字の桁数を間違えないこと。
与えられた数値の中でもっとも有効数字の桁数が小さいものに合わせること。
たとえば、ある測定値が15gと与えられたら、この数値は有効数字2桁までしか正確ではない。
計算でアボガドロ定数を使ったとしても、答えは有効数字2桁で書かなければならない。
モル質量はどのようにして使うのか?
モル質量とアボガドロ定数が分かっていれば、その原子1個の質量をグラムで求めることができる。

下に示したとおり、モル質量を換算係数として使えば、ある物質Yの質量とモル数を互いに変換することができる。




