地球上の至るところに存在し、侵入すれば病気や死を引き起こすこともある病原体。私たちの身体には「免疫系」という防衛機構が備わっているが、時に花粉やほこりのような本来害のない物質まで有害な外来物質として扱い、アレルギー反応を引き起こしてしまう。身体の防衛メカニズムと病原体の複雑な関係を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から解説する。(ダイヤモンド編集局)
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免疫系の防衛反応とアレルギーの仕組み
別の生物に感染した有害な細菌・ウイルス・プリオン・ウイロイドは、病原体になる。
病原体は死を引き起こすこともあり、地球上の至るところにさまざまな形態の病原体が存在する。
どんな生物も、この「病原体」に感染すると反応を起こす。
ヒトの場合、外来物質から身体を守る役割は免疫系が担っている。
体内に病原体が侵入すると免疫系が反応し、その病原体を殺して体内から排除しようとする。
身体の防衛機構で、外来物質や病気から身体を守る役割を担っている免疫系が病原体を殺せなかったり、殺すのに時間がかかったりすると、身体は病気になってしまう。
ヒトのアレルギー反応は、花粉・ほこり・土などの物質を免疫系が有害な外来物質として扱うことで引き起こされる。
病気の症状と「寄生体」の生存戦略
病気の症状は、その病気が進行することによる副作用である。
症状の種類は、病原体が身体にどのような影響をおよぼすかによって異なる。
たとえば発熱は、細菌やウイルスなどの感染による症状である。
免疫系によって体内から病原体が排除されれば、やがて症状は治まる。
病原体がいなくならずに増殖し、さらにたくさんの細胞に感染すると、病気は長引く。
病気によって身体が正常に働かない期間が長くなればなるほど、その個体は死ぬ可能性が高くなる。
寄生体が病気の原因である場合、宿主が死ぬとその寄生体も死んでしまう。
そのため寄生体は、宿主をできるだけ延命させるように進化することが多い。
感染予防の重要性
細菌やウイルスによる多くの病気に対しては、抗生物質や抗ウイルス薬が開発されている。
それらは、免疫系と協力して細菌やウイルスと戦うための医薬品である。
公衆衛生への取り組みによって、人々に感染予防の方法が広められている。
必ず手を洗い、シャワーを浴びることが勧められる。
それによって皮膚から病原体が取り除かれ、感染する可能性が下がる。
有害な細菌を除去することを、除菌という。
乳児には「滅菌」が有効な理由
各種の細菌やウイルスに対する感受性は、人それぞれ異なる。
感受性の高い人の場合、除菌だけでは十分でないかもしれない。
そこで滅菌によって、ものの表面の微生物を完全に死滅させることが必要だ。
たとえば、乳児の免疫系は十分に発達しておらず、感染体と戦えないことがあるため、おしゃぶりなど乳児が使うものを扱う際には滅菌が有効だろう。



