「薬価が安い」はずなのに…中国が日本の医薬品市場をうらやむ「深い」理由中国が密かに寄せるラブコール Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

「革新的医薬品に対して強力な特許保護を提供している」「明らかに重視すべき市場」

 今年6月に出たあるレポートからの一文である。一体どこの医薬品市場のことを指しているのだろうか。

 実はいずれも日本のことだ。作成者は中国の民間シンクタンク。中国の視点に立つと、日本は制度、安定性、そして薬価でさえも素晴らしい市場に見えるのだという。昨今、「薬価は低い」「魅力的な市場ではない」と日本のことをあしざまにしか言わないどこかのメーカーや団体とは真逆の評価。まるで異世界に来たかのようだ。

「中国の人口のわずか10分の1なのに、日本の革新的医薬品の天井はどうして高いのか」というのが同レポートのタイトル。「天井」とは価格上限を意味する。高齢化を背景とした新薬ニーズの増大、国民皆保険といった日本の現状や独自の社会保障システムを踏まえたうえで、中国製薬企業にとって挑戦すべき先だと結論付けている。

 同レポートの内容を引用しつつ、どうして日本市場が中国製薬企業にとって魅力的なのかを見ていきたい。