「ずっとやらなきゃ」と思いながら、2週間も放置していた仕事。重い腰を上げてようやく手をつけてみたら、たった15分で終わってしまった。「こんなに簡単なら、もっと早くやればよかった」と後悔した経験がある人も多いでしょう。しかし、そもそも15分で終わる仕事を、なぜ2週間も後回しにしてしまうのでしょうか。今回は書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、その原因を紹介します。

なぜ2週間溜めた仕事が、15分で終わるのかPhoto: Adobe Stock

15分の「作業」が嫌だったわけではない

後回しにしていた仕事が15分で終わったなら、面倒だったのは「作業そのもの」ではなかった可能性があります。

たとえば、資料をつくっている途中で別の仕事が入り、そのまま数日間放置してしまったとします。再開するときには、「そもそも何のための資料だっけ」「どこまでやったんだっけ」「次に何をするつもりだったんだっけ」と、当時考えていたことをもう一度思い出さなければなりません。

つまり、作業時間とは別に「思い出す」ための時間と労力が必要になるのです。

中断した仕事は「リロード」しなければならない

本書では、中断した仕事に戻ることを「リロード」という言葉で説明しています。

一度仕事から離れると、当時考えていたことが、そのまま頭に残っているとは限りません。たとえば、本書ではこんな例が紹介されています。

「このデータ、上司に見せる前にもう一度確認しよう」と思って作業を中断していても、翌日その作業に戻ったとき、脳は勝手に前日の「確認しよう」という意図を整理してしまいます。そのため短期記憶から抜け落ちてしまい、データは目の前にあるのに、何を確認しようとしていたのか思い出せなくなります。

ファイルは残っていても、「そのとき何を考えていたか」は残っていない。だから仕事に戻るたびに、資料を読み直したり、メールをさかのぼったりして、頭の中を以前の状態まで戻す必要があります。

この「思い出す」コストが、仕事を再開する心理的なハードルになります。

「あとでやろう」で、さらに再開しづらくなる

しかも、時間が経つほどリロードは大変になります。

中断した直後なら「次はこの数字を確認する」と覚えていても、翌日には少し曖昧になり、1週間後には資料を見ても何をしようとしていたのかわからなくなる。すると「思い出すのが面倒だから、あとでやろう」と、さらに後回しにしてしまいます。「面倒だから後回しにする→時間が空いてもっと思い出せなくなる→さらに面倒になる」という悪循環です。

中断するときに「未来の自分」を助けておく

では、どうすればリロードの負担を減らせるのでしょうか。本書では

「中断の技術」=仕事を中断するときに、その時点で考えていることを残しておく方法

を紹介しています。「どこまで終わったか」「何を考えていたか」「次に何をするか」を書いておけば、再開するときにゼロから思い出す必要がありません。

中断した仕事をいつでも「リロード」できる状態にしておくのです。「未来の自分が、考え直さなくてもすぐ再開できる状態」をつくっておくこと。15分の仕事を2週間寝かせないためには、仕事を止める瞬間の数分が重要なのです。