全国のファミリー向け住戸を75平方メートルに換算した平均価格の首位は、三井不動産レジデンシャルの「パークコート」で2億2575万円。2019年比では99.7%上昇し、約7年間でほぼ2倍になった。

 2位は三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス アーバンス」で1億8367万円、3位は東急不動産の「クオリア」で1億7572万円だった。以下、東急不動産の「プレステージ」が1億7560万円、安田不動産の「レフィール」が1億7293万円、三井不動産レジデンシャルの「パークリュクス」が1億7284万円と続く。

 10位の「サンウッド」までが1億5000万円を超えた。上位には、都心の好立地を中心に供給され、建物の仕様やデザイン、管理体制などで差別化してきたブランドが目立つ。建築費や土地代の上昇に加え、希少性やブランドへの信頼が価格に反映されていると考えられる。

高額ブランドと上昇率上位は
必ずしも一致しない

 ただし、現在の価格が高いブランドほど値上がり率も高いとは限らない。

 19年比の上昇率が最も大きいのはクオリアの104.0%で、平均価格ランキング21位の「アムフラット」(プロス環境開発/プロス住宅)も101.4%上昇した。

 一方、平均価格1億2512万円で17位の「プラウドタワー」(野村不動産)は66.0%増、1億1805万円で22位の「オープンレジデンシア」(オープンハウス・ディベロップメント)は60.5%増だった。現在価格にはブランドの格や物件仕様が表れやすいが、上昇率は供給地域、築年数、駅からの距離、再開発の進展などにも大きく左右されるためである。

 MFSの分析でも、ブランド以上にエリアの影響が大きいことが示されている。直近5年間(21年8月~)の上昇率は、東京23区の1位パークコートが81.8%、近畿圏の1位ブランズタワーが61.6%だったのに対し、中京圏の1位サンパークマンション(成田興業)は19.1%にとどまった。同じブランドでも、どこに立地するかによって資産価値の動きは異なる。

価格上昇に
賃料が追い付かず

 もう一つ注目したいのが、売買価格と賃料の伸びの差である。パークコートの直近5年間の上昇率は、売買価格が81.8%だったのに対し、賃料は24.2%にとどまった。双方を集計できたブランドの中央値でも、価格の上昇率に対して、賃料の上昇は下回っている。

 物件価格が賃料を上回るペースで上昇すれば、購入価格に対する家賃収入の割合である表面利回りは低下する方向に働く。実需で購入する場合も、値上がり実績だけでなく、周辺賃料や将来の売却需要を確認する必要がある。

 マンション選びでは、ブランド名や価格順位だけに目を奪われず、価格上昇の持続性、賃料とのバランス、供給エリアを併せて見極めることが重要である。