Photo:PIXTA
超低金利がこれまで都心マンションや地方の戸建て需要を押し上げてきたが、政策金利1%の到来でその好景気の波は終わりを迎えつつある。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債の借換金利が1%上昇した場合、足元の利益をどれだけ押し下げるかを独自試算した「金利上昇衝撃度」で不動産業界67社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
金利上昇で財務にダブルパンチ
不動産業界の衝撃度ランキング
日本銀行が2024年3月に解除するまでマイナス金利政策の恩恵を長らく受けていたのが不動産業界だ。
不動産経済研究所の調査によると2023年に東京23区にあるマンションの平均価格が初めて1億円を突破した。住宅ローンの変動金利が0.3~0.4%台という低水準が続いたことで、世帯年収が1000万円を超える共働き夫婦のパワーカップルがペアローンを活用して都心マンションを買い支えてきた。
戸建てにおいては、新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要も相まって、パワービルダーと呼ばれる低価格分譲住宅メーカーが値頃感のある分譲住宅を相次いで建設。地方の中間層を一気に取り込んできた。
しかし、政策金利が1%へと上昇した今、不動産業界は事業構造を揺るがす深刻な打撃を受ける恐れがある。住宅ローン金利の跳ね上がりは免れず、消費マインドが急速に減退するのは必至だ。不動産会社にとってみれば、販売が長期化することに伴い棚卸し資産の滞留と、開発資金の利払いの増加が財務に重くのしかかることになるのだ。
今回、決算期末時点で2年以内に返済・償還を予定する有利子負債を対象に、借換時の金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを求め、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、不動産業界の企業を対象としたランキングを掲載した。1位には名古屋市の不動産会社がランクイン。また、三井不動産や三菱地所、住友不動産など大手デベロッパーは何位になったのか詳しく見ていこう。







