2バルブ式電子制御ダンピングコントロールを採用した足回りの完成度も秀逸。この2バルブ式ダンパーは、従来から高性能モデルを中心に採用されてきた技術。縮み側と伸び側を独立して制御することで、減衰力を緻密に調律する。さらに、独立したオイルチャンバー構造と逆止弁の導入によりオイル流路を最適化。高い応答性と滑らかさを両立したという。

 2バルブ式ダンパーの効果は明確。フラットな姿勢を保ちながら、荒れた路面や凹凸を通過しても衝撃が伝わってこない。クラスを超えた上質なライドフィールを実現している。一段と磨きがかかったアウディらしい俊敏で一体感のあるステアリングレスポンスも心地いい。優れたハンドリングに対する足回りの貢献度は大きいと感じた。

エントリーモデルでも先進機能の完成度は抜群。
快適性を含め走りも超一級品

 新型は日常のドライブをより快適にするアシスタンスシステムも充実している。パークアシストプロは、駐車を容易にするためにドライバーが一度走行した駐車ルートを記録。そのデータに基づいて、システムが運転操作を引き継いで駐車を任せられるので便利だ。しかも前進時の走行ルートを自動的に記録し、その記録に基づいてステアリング操作を再現することで後退走行を支援するリバーシングアシスト機能まで備えている。

 前出のデジタルマトリクスLEDヘッドライトは安全性の向上にひと役かっている。ドライバーアシスタンスと密接に連携し走行状況や周辺の環境を解析し、路面前方に光の映像を投影する。たとえば外気温が一定温度を下回ると雪の結晶のマークを投影する。今回の試乗では体感していないが、確かに便利で斬新な機能である。

 新型Q3シリーズは多方面にわたり大きく進化をとげていた。アウディのラインアップの中ではエントリークラスに位置するが、その先進機能の完成度は抜群。快適性を含め走りも超一級品だ。このクラスのベンチマークと呼ぶにふさわしい一台である。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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