自宅でオンライン会議に参加する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「完全テレワークだから」と転職したのに、数カ月後に突然「週2日は出社して」――。そんな会社の方針転換に、社員は従うしかないのか。実は、雇用契約で勤務地や働き方が限定されていれば、会社が一方的に変更できない場合がある。さらに、テレワーク中の「中抜け」や自宅でのケガ、深夜のLINE・メールにも、知らないと損をする労働法のルールがある。弁護士が具体例を挙げて解説する。※本稿は、弁護士の佐々木 亮『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。

テレワークでも労働基準法や
労災が適用される

 テレワークとは、インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)を活用し、自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で仕事をする働き方です。

 労働者にとっては通勤時間の短縮、業務効率化に伴う時間外労働の削減、育児・介護と仕事の両立がしやすくなるなどさまざまなメリットがあります。

 2025年4月1日に施行された改正育児・介護休業法では育児や介護にあたる労働者が利用できるテレワーク導入が事業主の努力義務とされました。

 テレワークでの労働も、会社の指揮命令に基づく労働ですので、当然、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災などの労働関係法令が適用され、労働者はそれらの保護を受けられます。

 テレワークでも時間外労働や休日労働をした場合には、残業代の支払いを請求できます。また、最低賃金はテレワークで働く場所ではなく、会社がある都道府県の最低賃金が適用されます。ですので、会社が東京都にあればテレワークを鳥取県内で行ったとしても東京都の最低賃金が適用されます。

 また、会社は新規雇用者をテレワークに従事させる場合には、労働契約を締結するさい、始業・終業時刻を含むテレワークの時間についても明示する必要があります。