本当は怖い働き方改革#2
Illustration by Saekichi Kojima, Photo:nycshooter/gettyimages

テレワーク対応で企業から問い合わせが殺到した「最恐の労務管理ツール」は、パソコンのキーボードの操作内容を全て記録し、集積したデータを分析する。サボっていればバレバレ、仕事ぶりはスケスケだ。特集『本当は怖い働き方改革』(全9回)の#2では、最恐ツールの正体を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

テレワークで知らぬ間に仕分けられる
新型リストラ予備軍

 大手石油元売り会社の若手社員は、気付いてしまった。テレワーク導入によりテレビ会議が増える中、これまで社内での打ち合わせには参加していたのに、テレビ会議になると呼ばれなくなったメンバーがいることを。

「怖いよな。本当は必要なかったと切り捨てられたんだもの」と、周囲とささやき合った。

 身内だけの会議は、とかくだらだらしやすいものだ。これがテレビ会議になると、余計な会話が一切そぎ落とされ、参加メンバーには建設的な発言が求められる傾向にある。

 じかに顔を合わせる会議であれば、座っているだけでも存在は目に入る。それがテレビ会議になると、全く発言しない人は存在が認識されにくくなる。揚げ句、存在する価値がないと評価され、呼ばれなくなるというわけだ。

 テレワークなどの新たな働き方は、リストラ予備軍の姿を変えていく。

 従来の予備軍は社内会議に呼ばれなくなると自席に根を張り、ソリティア(Windowsの中に入っているトランプゲーム)の腕ばかりが磨かれる者もいた。予備軍入りか否かは本人にも周囲にも分かりやすかった。これに対し、新たな予備軍は、いつの間にかテレビ会議に呼ばれなくなるなど、気付きにくいかたちで仕分けられるから恐ろしい。

 社員の仕事ぶりを丸裸にして新たなリストラ予備軍をリストアップする「最恐の労務管理ツール」がそれを可能にするのだ。