「有給休暇は取っていいはずなのに、なぜか上司に言い出しづらい」。そんな職場は少なくない。有休を拒否されたわけでも、嫌味を言われたわけでもない。それでも、上司のちょっとした反応によって、部下が「休まないほうがいいのかな」と感じてしまうことがある。本人に悪気がなくても、何気ないふるまいが職場の空気をつくっているのだ。では、有給休暇を取りづらくしてしまう上司は、どんな行動をしているのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その特徴を解説する。

有給休暇を取りづらくなる上司の「何気ない行動」・ワースト1Photo: Adobe Stock

拒否していないのに、なぜか取りづらくなる

有給休暇の届出をしたら、ちゃんと受け付けてもらえた。嫌味を言われたわけでもない。
それなのに、なぜか「次は出しづらいな」と感じてしまう
――こういう職場が、実はあります。

原因は、上司の行動にあることがあります。

無言でサインして、そのまま返す

部下が有休の届出書を持っていく。上司はそれを見る。何も言わずにサインをする。そのまま返す。

上司としては「確認したのだから、それでいい」という感覚かもしれません。
悪気はありません。忙しかっただけかもしれないし、本人はまったく気にしていないかもしれない。

でも部下側には、こんな気持ちが残ることがあります。
「休んでほしくなかったのかな」「機嫌が悪くなったかな」「次は出しにくいな」
――上司の意図は、言葉にしなければ伝わらないことがあります。

部下は上司の言葉だけでなく、表情や反応、ちょっとした行動から、「休んでいいのかどうか」を読み取っています。

一言添えるだけで、変わること

大げさな言葉は必要ありません。サインするときに、こう添えるだけで十分です。

「了解。ゆっくり休んで」「わかった。気をつけてね」

これだけでも、部下の受け取り方は変わります。
「休んでも大丈夫なんだ」という安心感が生まれる。次に届出するときのためらいが、薄れます。

有給休暇を取りやすい職場にしたいなら、制度を整えるだけでは足りないことがあります。実際に届出したとき、上司がどんな反応をしたか
――それも職場の「取りやすさ」を左右するからです。

職場の空気は、リーダーのふるまいからつくられる

リーダーにとっては、何気ない表情や反応だったかもしれません。
でも、部下はそうした小さな行動を、思っている以上によく見ています。

「休んでも大丈夫なんだ」と思える職場も、「できれば休まないほうがいいのかな」と感じる職場も、制度だけでつくられるものではありません。

日々の何気ない反応の積み重ねが、職場の空気をつくっていきます。
だからこそ、リーダーには自分のふるまいが部下にどう映っているのか、ときどき考えてみてほしいのです。