「相談できない」という状態には、いくつかのパターンがあります。
「こんなこと相談していいかわからない」「人を頼ることは逃げだ」「迷惑をかけたくない」
でも、いちばん多いのは「何から話せばいいかわからない」です。人は、相談をしたときに、聞いてくれる相手が混乱したり戸惑ったりすることに、とても敏感なのです。
「あ、困らせてるな」と思ったら、話せなくなります。
その経験を一度でもしたことがある人は、「まとまってからじゃないと」と考えます。会社でも、「聞きたいことをまとめてから来るように」「事実と解釈を分けるように」と習います。だから、真面目な人ほど相談できなくなるのです。
相談できないと、人はひとりで解決しようとします。
本を何冊も読む。セミナーに出る。副業スクールに通う。「まだ準備が足りない」と思って、動けない。転職活動でも、質問と回答を暗記しようとする。「人を頼ることは逃げ」「一度逃げると戻れない」と教わってきたからです。
私はこれを「自立の暴走」と呼んでいます。自分ひとりで何でもできることが良しとされる。幼少期から変わっていません。大人になっても、子ども時代のものさしで生きてしまっているのです。
だから、悩みが長引きます。自分の身長より3倍くらい高い壁が出てきたとき、ずっとジャンプして飛び越えようとしているようなものです。
本当は、その壁はペラペラ薄く、水をかければ破れるかもしれない。横から回れば越えられるかもしれない。相談すれば、そういった解決策が手に入るのに、「もっと自分の頭で考えよう」「相談は逃げだ」「迷惑かもしれない」と思っているうちに、時間が経ってしまう。そして、「自分はダメだ」と性格までを否定してしまう。
これが、相談できないと悩みが長引くループ構造です。
自分から相談できない人ほど
他人からの相談を受けている
ここで、面白い事実があります。「相談できない」と悩んでいる人に、こう聞いてみます。
「あなたは、誰かに相談されたことはありますか?」
ほぼ全員が「あります」と答えます。そして、こう続けます。
「相談されたとき、どんな気持ちでしたか?」
「うれしかったです」
そう、相談できない人ほど、実は誰かに相談されているのです。







