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「1カ月も休んだら、仕事に戻れなくなる」――日本ではそう考える人も少なくない。ところがスウェーデンでは、5週間の夏休みが当たり前。しかも、長く休んだ人ほど創造性が高まり、休暇の効果は最長43日間続くという研究もある。なぜスウェーデン人は、そこまで仕事から離れるのか。「休み明けにパソコンのパスワードを忘れているくらいがちょうどいい」という発想に、長く働く日本人が見落としている休暇の価値があった。※本稿は、翻訳家、作家、北欧社会ウェルビーイング研究家の久山葉子『スウェーデン人はなぜ朝の3時間で仕事が片づくのか』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
5週間も休みをもらっても
何をしていいかわからない?
スウェーデンでは労働協約や年次休暇法により、年間5週間の休みを取る権利がある。日本でも年間25日の有給は珍しくないが、大きな違いはスウェーデンでは5週間すべて夏休みに投入するのが一般的だという点だ。
5週間休みをもらっても、何をしていいかわからない人も多いだろう。私もスウェーデンに来た当初はそうだった。
退屈するのでは?毎日子供を楽しませなければいけないのも大変。仕事のことも気になる。しかし、夫の会社の同僚の一言が衝撃的だった。
「夏休み明けにパソコンのログインパスワードを忘れているくらいがちょうどいい」
そこで思った。私はそもそも、ログインパスワードを忘れるくらい長い間仕事から離れたことがあっただろうか。それがどれほど解放的な感覚かも知らないくせに、勝手に退屈だと思い込んでいるなんて。
たしかに1週間の休みでも心身への回復効果はあるが、休暇のあらゆる効果を満喫するためには1週間では足りないようだ。
休暇でどれだけ元気になれるかは、過ごし方によって大きく変わるという。
ウェルビーイング効果が最も高かったのは、「精神的に仕事から離れられた人」だった。その次が「リラックスすることを重視した人」。実際、夏休み中に仕事メールは開かないという人が多いので、夏の間にどうしても連絡をとる必要がある場合は、事前に個人のメールアドレスを聞いておかなくてはいけない。
活動別では一番が「運動」そして「社交を伴う活動」。また、「旅行に行くのと家にいる時間を組み合わせた休暇」にも高い効果があったという。
休み中はリラックス、運動、社交、旅行にも行って家でもゆっくりして……となると、やはり1週間では足りない。
長い休みを取り慣れていないと、「精神的に仕事から離れられる」というのがどういうことか、イメージが湧きにくいかもしれない。そんな時に私は「休み明けにパスワードを忘れている」というスウェーデンの指標を思い出す。
長期休暇の取得が
創造性に与える効果とは
休暇が終わり、またあわただしい日常に戻ると、リラックス気分など吹き飛んでしまうと思うかもしれない。しかし2025年に32件の研究をメタ分析したところ、休暇のウェルビーイング効果がこれまで考えられていたよりも長く続くことが分かった。最長で43日間も続くという。







