1 具材が二つあればできるのに、
「料理」としての奥が深い!

 具材が一つだと「煮物」ですが、具材が二つあれば「小鍋」になります。ただ、「小鍋」は、シンプルでも、実は「料理」としての奥が深いんです。

「大鍋」は具材が多い分、味わいがぼやけてしまいますが、「小鍋」は具材が少ないからこそ、一つひとつの味わいが際立ちます。たとえばレタスとベーコンの「小鍋」の、レタスを春菊に変えるだけで、全く違う味わいになります。

 こんなふうに具材や調味料の組み合わせを工夫することで、無限のバリエーションを楽しめる「小鍋料理」は、まさに“料理天国”なのです。

2品あったら小鍋つくれる! 女性が冷蔵庫を開けて「塩たらとトマトでタラチリつくるか!」と話しているイラストイラストはすべて、えちがわのりゆき氏

2 冷蔵庫にある“残り物”で、
 ささっと作れちゃう!

「大鍋」を作るには数種類の具材が必要で、それを揃えるには、買い足しに行く手間もかかります。でも、「小鍋」なら二つの具材があれば作れますから、冷蔵庫にある“残り物”でもささっと作れる手軽さも大きな魅力です。

3「具材を切って、煮込むだけ」だから、
 時間も手間もかからない!

「小鍋」料理は、少ない具材を切って(ちぎって)、スープを作り、小鍋で煮れば完成。洗い物も少なく済むので、とにかく時間も手間もかからない“お手軽料理”です。

 朝、小鍋に具材を詰めて冷蔵庫に入れておけば、帰宅したらほんの数分でぽっかぽかの小鍋ができあがります。小鍋をおつまみに、かるくお酒が楽しめて、それだけで極楽気分です。

手間がかからない! 女性が野菜を料理ばさみで切りながら、「野菜は料理ばさみで切ればOK」「豆腐は手でちぎってOK」と話しているイラスト

4「土鍋」で沸かしたスープの香りは“別物”

 鍋料理は土鍋に限らず、ステンレス、ホーローなどさまざまな種類の鍋で美味しく作ることができます。

 でも、土をこねて作られた「土鍋」で作る料理には、なんともいえない味わいがあります。たとえば、炊飯器で炊いたご飯もおいしいけれど、土鍋で炊くと「特別感」がありますよね?

特に“マイ土鍋”をもつと、愛着が湧いて「小鍋生活」がより一層楽しくなります。

5 食卓に“あたたかい湯気”が立つだけで、
 不思議と心がホンワカやわらぎます!

 忙しくて時間がないときは、スーパーのお惣菜や冷凍食品で晩ご飯を済ませることもあります。

 もちろん、それらの食材も電子レンジなどで温めることはできますが、そんな食卓にあると嬉しいのが、湯気の立つ温かい「小鍋」です。

 食卓の中心でぽっかぽかの「小鍋」から立ち上る湯気のおかげで、部屋が温まり、体も温まり、鼻先まで温かくなる。そして、空気もすっかりやわらぎます。まさに、「小鍋」の魔法ですね!

湯気がたつだけで心が休まる! 小鍋からたつ湯気を笑顔で見つめる女性のイラスト

6「失敗」しにくい料理!

「小鍋」は煮る調理なので、焦げたり、生焼けはありません。それだけに失敗しにくいのもいいところです。

 また、味が濃すぎたらお湯を足せばいいし、薄すぎたら調味料で味を整えればいい。最後に、ポン酢、卵、ラー油、ゆず胡椒などを加えて、自分の好みの味にすることもできます。

 難しく考えずに、気軽にチャレンジしてください。

7“出来上がった料理”じゃないから、
 あれこれ工夫して楽しめる!

「小鍋」は普通の料理とはちょっと違います。食べている途中で「辛味」や「酸味」を足して“味変”してもいいし、もう一回火にかけて別の具材を入れてもいい。締めにご飯、うどん、ラーメン、パスタなどを入れるのもおいしいですね。

 こんなふうに、「小鍋」はいわば、“出来上がった料理”ではないからこそ、あれこれ工夫をしながら「エンタメ」としても楽しめるのです。

小鍋はエンタメだね! 男性が小鍋を前に「辛さを足して味変しよっか?」「締めはうどん? 雑炊?」と話しているイラスト

 ここまでご説明してきた7つの理由から、私は秋冬の食卓は「小鍋料理」を主軸に据えるのが賢いのではないかと考えています。

 ぜひ、みなさんも「小鍋生活」を試してみてください。

小田真規子(おだ・まきこ)
料理研究家、栄養士、フードディレクター
「スタジオナッツ」を主宰し、テレビ、雑誌、広告などで幅広く活躍。食べる人、作る人、どちらにとっても無理がなく、シンプルな材料と手順でおいしく作れるレシピに定評がある。電子レンジ調理は、およそ30年研究を重ね、料理誌や生活情報誌でも数多くのレシピを紹介している。12万部を突破した『まいにち小鍋』(ダイヤモンド社)のほか、累計85万部超えの人気シリーズ『つくりおきおかずで朝つめるだけ! 弁当』(扶桑社)など著書多数。料理のコツを紹介するインスタグラム(@studionutsnuts)も人気。