養老孟司氏養老孟司氏 Photo:SANKEI

「ゲームばかりして、勉強しない」――子どもを持つ親なら、一度はそんな悩みを抱えたことがあるだろう。では、ゲームに夢中になる時間は、本当に「無駄」なのか。自身もゲームに熱中し、妻に部屋を追い出された経験を持つ解剖学者・養老孟司氏は、「人間はゲームをするように生まれている」と語る。ゲームやマンガ、虫採り……一見すると勉強とは無関係な「遊び」にこそ、人生を豊かにする意味があるという。養老氏と柳瀬博一氏が、子どもとゲームの付き合い方、そして「がんばること」だけを重視しない生き方について語った。※本稿は、解剖学者の養老孟司と東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授の柳瀬博一『虫とマンガと日本人 養老孟司のキャラクター論』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

ゲームに熱中しすぎて
妻に部屋を追い出された

柳瀬 養老さんは「ゲーム好き」でもありますよね。「日本ゲーム大賞」の選考委員長をされているし、さっきも久しぶりに一緒にマリオ(『スーパーマリオワールド』)をやってたら……。

養老 ぼくと柳瀬さんがあんまりヘタクソだったんで、カメラマンが「見てらんないです!」とぼくらからスーパーファミコン(ニンテンドークラシックミニ版)を奪い取って。

柳瀬 あっという間に次々とステージをクリアした(笑)。

養老 ヘタで申し訳ない(笑)。でもヘタなりに面白いんだよねえ、マリオ。1980年代の中頃、ぼくが40代の頃から大好きで、熱中するあまり、気がついたら徹夜していた、なんてこともザラでした。女房に怒られて、部屋を追い出されたこともあります。それで実家に帰って、またゲームを続けたことも。

柳瀬 子どもですか!(1回目)なぜ、そこまではまったんですか?

養老 どうしてもクリアしたくて、どんどんのめりこんじゃった。マリオはいろんなクリアの仕方があって、ゴールまでの道のりが一つじゃないところが一番の魅力ですね。

『スーパーマリオワールド』のタイトル画面スーパーマリオワールドのタイトル画面 Photo:James Keyser/gettyimages