マウントの勢いを止める“魔法の一言”
私がおすすめするのは、とても短い言葉です。
「そうなんですね」
これだけです。
ポイントは、肯定しすぎず、否定もしないことです。
「すごいですね!」と言えば、相手を持ち上げることになります。「でも私は……」と返せば、比較のゲームに参加することになります。
そのどちらにも行かず、「そうなんですね」とだけ受け止めるのです。
「そういうことがあったんですね」
「そういうご経験をされたんですね」
こうした言い方でも構いません。
大切なのは、そこから話を広げないことです。
自分の似た経験を話したり、「それでどうなったんですか」と質問を重ねたりすると、また相手に話す材料を与えてしまいます。
職場なら、「そうなんですね」と返したあとに、「それはそうと、この間の件なんですけど」と本来の話題に切り替えてしまっていいのです。
私は、マウントを取る相手に対しては「同じ土俵に上がらない」ことが一番大切だと思っています。
会話には、言葉だけでなく、聞き手の反応も大きく影響します。
カウンセリングのトレーニングでは、聞き手がほとんど反応をしない状態で話を続けるワークをすることがあります。すると、最初は話すことがたくさんある人でも、相手のリアクションが小さいと、だんだん話しにくくなっていきます。
逆に、大きくうなずいたり、「へえ!」「すごいですね」と反応したりすると、人はどんどん話したくなります。
ですから、マウント話を長引かせたくないなら、失礼にならない範囲でリアクションを小さくすることも有効です。
もちろん、相手が取引先など、ある程度立てる必要のある人なら少し対応を変えます。
「勉強になりました」と一度感想を伝えたうえで「そのご経験を踏まえて、今回の件はどうお考えですか」など言ってと、本来の仕事の話へ戻すのです。
大事なのは、静かに会話の主導権を取り戻すことです。







