通常、コンサルティングの仕事では、プロジェクト全体をいくつかの作業単位(モジュール)に分けて進めていきます。各モジュールの担当者は、分析や資料作成を進め、クライアントとの会議に向けて準備を整えます。
たとえば3カ月のプロジェクトであれば、1週間から10日間ごとに、社内でレビューミーティングを行います。「いま何がわかっていて、何がまだわかっていないのか。次に何をするのか」をチームで共有することが目的です。
またこのレビューミーティングには、プロジェクト全体の責任者であるパートナーも参加します。
パートナーとは、コンサルティングファームの最上位職であり、クライアントの経営層に対して直接アドバイスを行う責任者です。報告内容の妥当性やストーリーの筋を確認します。
このレビューミーティングの開催日が近づくものの、私の担当モジュールには、必要な情報や数字が揃っておらず、現状分析が進まない状態が続いていました。
仕事が止まっていても
「自分の責任ではない」
当時の私はそこまで事態を深刻に捉えていませんでした。
現場にはもう何日も前から依頼している。本社の事務局にもプッシュしている。こちらとしては、やるべきことはやっている。
だから社内のレビューミーティングでは、「現時点ではデータが揃っていないので、まだ分析には入れていません。データが揃い次第すぐ分析します」と正直に伝えて、次回までにきちんと仕上げればいい。そういう段取りで考えていました。
つまり、私の中では、この時点で仕事が止まっていることが、私の責任という感覚はありませんでした。「未完」ではあるけれど、「放棄」ではない。自分としてはやるべきことはやっている。そう捉えていたのです。
その認識こそが、このあと大きく揺さぶられることになります。
ブルース・ヘンダーソン・ルームで行われたレビューミーティングのことは、いまでもはっきり思い出すことができます。BCGの創業者の名前がついた、日本オフィスの中でも、最も大きな会議室です。
10人ほど入れれば十分だったはずなのに、他に空きがなかったのか、やたら立派な部屋で開催されました。







