大人になった私たちは、ついつい「役に立つ・役に立たない」で判断してしまいます。その判断基準からいったん距離をとって、楽しむこと自体に価値があると考えましょう。
そうやって再発見した好きに向かって、行動してみてください。小さな楽しみを日常に取り入れましょう。今の自分を、自分好みの自分に近づけていく。その積み重ねが、これからの人生に彩りを与えてくれます。
行動してつまずいても
それは大事な「発見」
大切にしたいことに向かって小さな一歩を踏み出した。でも、いつの間にかその行動も中途半端になってしまい、結局うまくいかなかった。
そんなときは、どうすればいいでしょうか。
まず心に留めておいてほしいのは、行動にはつまずきがつきものだということ。つまずいたからといって、「やっぱり自分には向いていないのか」「この年からでは無理なのかも」などと、あきらめる必要はありません。
動き出してみてわかることはたくさんあります。
「会社を辞めて自由になりたい」と思って転職や独立の道を探ってみたけど、いざ情報を集めてみると「想像していたような仕事ができるわけではなさそう。会社という枠に守られながら、働き方を調整した方が自分の思う自由に近づくかも」と気づく。これはつまずきではなく、大事な発見です。
「役に立つか」から離れて
「楽しいか」で考えてみる
50代は、これまで無意識にしたがってきた判断基準を見直すタイミングです。
「これは役に立つだろうか」「もったいないんじゃないか」「人にどう思われるか」……。そんな基準で選んできた人生に、少し疲れを感じているのかもしれません。
そろそろ、「楽しいか、楽しくないか」を基準に選んでもいいのではないでしょうか。
たとえば、英会話教室に通うとします。
「せっかく行くなら、資格をとらないともったいない」といわれて、同時に英検の勉強を始めました。でも、あなたの本当の目的は英語を使って誰かと親しくなること。そういう楽しみ方だったはずです。
「もったいない」「役に立つかどうか」という基準で考えると、本来の目的を見失ってしまいます。価値が定まっていないと、人は「あれもこれも」と欲張ってしまうのです。
50代になったら、自分の価値観をはっきりさせましょう。
『しんどい「中年の危機」から抜け出す本』(中島美鈴、青春新書インテリジェンス)
「自分は何を大切にして生きたいのか」がわかっていれば、余暇の使い方に遠回りがありません。お金の使い方も効率的になります。
旅行に行くとき、「何となくガイドブックを見て」ではなく、「自分は美しいものが好きだから美術館を巡りたい」「食べることが好きだから評判の店に行きたい」と選べる。自分軸があると、幸せに近づけます。
快楽に任せて好き放題するのとは違います。方向性を見失わず、やるべきこともきちんと行いながら、「楽しいかどうか」を選んでいく。そのバランスが心地いいのです。
50代からは、楽しさを取り戻す時期です。これまで「役に立つかどうか」で物事を見てきた人は、「楽しむ」という方向性を意識するようにしてみてください。
「この一日を、目一杯楽しむ」という生き方を、自分に許してあげましょう。







