たいていの場合、私たちは起こりそうもない未来の出来事について心配しがちである。現在という最も重要な瞬間を無駄にしながら余計な苦しみを味わっているのだ。
苦しみはたいてい想像の中で起きている。この事実に気づくために、抱えている心配事をすべて書き出してみよう。
そして、現実になりそうにない心配事や、景気や政治のように自分の力ではどうしようもない心配事を消去し、残った項目について調べてみよう。おそらくそう多くないはずだ。
逆境は才能を引き出す作用を持っている。
ホラティウス(古代ローマの詩人)
つらい経験でも教訓を学んで感謝する習慣を身につければ、プラスになる面が見つかるものだ。驚くべきことに、厳しい状況に置かれたときこそ、能力を存分に発揮することができる。自分でも知らなかった長所が見つかることもある。
奇妙な理屈のように思うかもしれないが、逆境は私たちの最高の力を引き出すことが多い。
逆境とどう向き合うかで、天と地ほどの差がつくのである。逆境を最大限に活用しよう。多くの人がまさに今この瞬間にそれをしている。彼らにできるのなら、あなたもそれができる。
みじめな暮らしの失業者だった私の
人生は「行動」で大きく変わった
私は長年にわたり名言を読むだけだった。たしかにどの名言も生きる希望を与えてくれたが、特に何も起こらなかった。
偉人たちの名言は含蓄がある。私は子供のころから名言を愛読してきた。父を亡くしたときは心の支えになった。有害な人間関係に悩まされていたときは救われた。大嫌いな仕事に就いてストレスを抱えていたときは、束の間の高揚感を与えてくれた。
週末の夜、飲み会に出かける前にも名言を読んだものだ。しかし不幸なことに、週明けには嫌いな仕事を再開し、有害な人間関係に悩まされ、結婚生活に支障をきたした。
偉人たちの名言は心に響くが、それを読んだあとで小さなことでいいから行動を起こす必要がある。それをしないかぎり、生涯にわたって名言を読み続けたとしても、人生は変わらない。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という格言は真実である。勇気を出して行動を起こし、思いきって洞窟に入らなければ、宝物はけっして得られない。
私はようやく悟った。人生を変えたいなら、従来と違う方法で考えて行動する必要がある。
『いつも運のいい人が考えていること』(マーク・レクラウ著、弓場 隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
そこで、新しい考え方を身につけて、それをもとに行動した結果、人生は大きく変わった。みじめな暮らしをしていた失業者が、作家になって数冊の自己啓発本を出すことができたのだ。
その後、テレビやラジオ、ポッドキャストに出演する機会にも恵まれた。さらにビジネススクールの客員准教授として心理学の講義を担当した(学生たちに好評だったのは、宿題を課さなかったからかもしれない)。
だが、最も嬉しかったのは、ふだんの人間関係が劇的に改善したことだ。しかも、この数年来、1滴も酒を飲んでいない。
今でもときおり挫折や失敗を経験するが、そんなときは希望がわいてくる名言を読むことにしている。そして元気を取り戻し、新しい戦略を練り、再び仕事に取りかかる。
ぜひ試してみてほしい。これはじつに楽しい経験である。







