中国では、公園などに親たちが集まり、子どもに代わって結婚相手を探す「代理婚活」が行われている。気が合う恋人同士なら、身長を気にしないこともあるが、親が相手の身長を理由に結婚に反対するケースが少なくない。下の画像は親が子どもを紹介するプロフィールだ。出身と年齢の次に身長、続いて学歴や職業、収入が記されている。以下に身長が重視されているかが見て取れる。

中国で親が代理婚活で使う子どものプロフィール中国で親が代理婚活で使う子どものプロフィールには「上海・普陀区に家が2軒」といったアピールや「犬や猫がいる家庭は不可」といった条件が並ぶ 撮影=筆者

 並外れた資産家は別として、170cm以下の男性には、就職の際の「見えないハードル」があったり、世間では人格まで否定するような差別的な言葉がまん延していたりするため、大きなコンプレックスを抱えている人が少なくない。結婚市場では間違いなく弱い立場に立たされるのだ。筆者の知り合いにも、身長が低いせいで結婚に至っていないと考えている人が何人もいる。

子の身長を伸ばすために
中国の親が与える食べ物

 こうした社会の風潮の中では、親もわが子の身長に敏感になる。そのため、子どもの身長を伸ばすための努力を惜しまない。

 今年5月に北京で発表された『児童の身長・発育に関する実態調査報告』(『医師報』と微博(Weibo)の健康関連部門が共同で実施)は、全国の670世帯以上を対象に、子どもの身長や成長管理の実態を調べたものだ。

 それによると、男児を持つ親の8割超が、子どもの身長が将来175~185cmに達することを望んでいる。一方、女児の親は160~170cmを希望している。自分の背が低いのは仕方がないが、子どもには絶対に背が高くなってほしいと思う親が少なくない。

 つまり、身長を、子どもの将来を左右する重要なスペックの一つとして捉える傾向があるのだ。

 子どもの背を高くするためなら、食事や睡眠、運動に気を配るのはもちろん、場合によっては専門サービスや医療にも頼る。中国の親たちは、子どもを少しでも「背の高い大人」に育てるため、幼い頃からさまざまな手を尽くしている。

 医学的・科学的な裏付けはないものの、民間には「子どもの身長を伸ばす方法」が広まっている。その一つが、カルシウムを多く含む食品を大量に摂らせるというものだ。

 例えば牛乳を毎日大量に飲ませたり、卵や骨付き肉のスープ、小エビなどを意識的に多く食べさせたりする家庭がある。また、バスケットボールや縄跳びなどで高くジャンプして手を伸ばせば、骨そのものが伸びたり、骨端部の成長が促されたりするという考え方もある。

 筆者の女性の友人は、乾燥したナマコを水で戻し、鍋で蒸して醤油をつけて中学生の息子に食べさせていた。また、別の男性の友人は毎晩、幼稚園児の息子をベッドに寝かせ、足を中心にマッサージをしていた。どちらの息子も背が高いが、もともと背が低くない親からの遺伝によるものなのか、こうした努力が実を結んだのかは不明である。

後編記事<そりゃ背が伸びないわけだ…中国人が幻滅する「日本人の食べ方」>では、「食べ方」について日中の違いを取り上げます。中国SNSでは、日本人の身長が話題になったことで、日本人の食べ方に関する議論が巻き起こったそうです。かつては、憧れだった「日本の食事」に中国人が幻滅する理由を解説します。