「実績ある住宅メーカー」まで倒産…物価高が直撃
とくに目につくのは戸建て住宅建築業者や関連業者の行き詰まりだが、話題となったのは今年7月に民事再生法の適用を申請したアエラホーム(株)(負債43億2300万円、東京)が挙げられる。
同社は2010年代前半に200億円を超える売り上げを計上、比較的上位クラスの価格帯で知られていた。
倒産要因には急速な業容拡大に社内体制の整備が進まず、過年度決算の修正を余儀なくされたことなど、物価高以外にも複数あるが、金融機関からの支援を得ながら立て直しを図ってきたなかで、昨今の新築着工戸数の減少や資材価格・人件費の高騰などで赤字決算が続いていたところへ、今年に入ってからの中東情勢悪化に伴う建設資材の調達遅延などで資金繰りが悪化していた。
このほか、タイコウハウス(株)(負債34億2400万円、愛知県豊橋市、3月破産)はテレビCMによる知名度向上を図り、2008年7月期には年売上高約45億2700万円を計上していたが、その後の個人消費の低迷や人口減少による住宅需要の低迷、昨今の資材高による収益性の悪化から、2025年7月期には年売上高が約17億1300万円にダウン。年商を大きく上回る借入金も重荷となり、今年に入って事業停止に至った。
また、住宅建築の集成材メーカーの菱秋木材(株)(負債29億8000万円、秋田県能代市、7月破産)は、大手木材商社のほか、住宅メーカーとの取引も増え、首都圏を中心に北海道から関西方面までの広範囲を営業エリアとして事業を展開。
2006年8月期に50億円をこえる年売上高を計上していたが、同業者間の競合激化、資材価格の高騰を背景とした住宅着工や建築需要の伸び悩みから2024年8月期の年売上高は約12億円まで落ち込み、円安進行の影響で約17億円の当期純損失を計上していた。
もちろん、こうした物価高を一要因とした大型倒産は食品小売りやメーカーなどでも発生しており、住宅メーカーに限った話ではない。
中東情勢の影響を受けた物価の上昇分は、この秋口以降、価格転嫁が進むとみられるが、消費者の生活防衛意識が高まるなか、各種小売業者やホテル・旅館などの個人向けサービス業、そして住宅メーカーや不動産業者など消費者により近い事業者では消費者離れを懸念し、価格転嫁に悩む事業者は少なくない。こうした状況を踏まえると、物価高倒産はまだしばらく高水準で推移するとみておくべきだろう。







