地頭の良さを測る
4つの質問の作り方

 重要なのは、その人が何を達成したかではありません。簡単には答えの出ない状況で、何を考えたかです。

 地頭のよさは答えの正しさや結果ではなく、考える過程に表れるからです。フェルミ推定で面接官が見たいのが、答えそのものではなく思考のプロセスであるのと同じです。

 ところが、成功談をそのまま聞いても、どんな成果を上げたか、どんな立場で何を任されたかといった、結果や肩書の話で終わってしまいがちです。これでは、その人がどう考える人なのかまでは見えてきません。かといって、その場の受け答えの印象や雰囲気で判断するのでもなく、やはり過去の経験を材料に確かめるべきです。問題は、どの経験を、どう聞くかなのです。

 地頭のよさを確かめるために聞くべきは、頭の回転が求められる場面、筋道立てて考えなければ解決できない場面、深く考え続けないと答えが出ない場面です。

 自分の経験やすでに持っている知識で楽にこなせる課題は、脳の認知リソースをあまり使わずに、半ば自動的に処理できます。ルーティン化された業務でどれだけ成果を出していても、それだけでは地頭のよさはわかりません。

 反対に、既存のスキルでは太刀打ちできない課題にぶつかったとき、人は初めてどうすればいいのかを本気で考えます。地頭のよさは、そういうときこそ表に出てくるのです。また、同じ過去の経験でも、うまくいった話より、行き詰まった話にこそ、その人の地頭のよさが表れます。

 ですから、採用する側は、候補者が普段のやり方では対応できなくなった瞬間を探す必要があります。地頭のいい人を見抜けないのは、面接官に眼力がないからではありません。地頭のよさが発揮される場面を聞けていないからなのです。

 では、どう聞けばいいのか。入り口として、(1)短い期限、(2)膨大な量、(3)予期せぬ壁、(4)難しい問題という4つの場面を指定して、経験を聞きます。

 たとえば「これまで、短い期限で難しい課題を解決しなければならなかった経験を教えてください」「一人ではとてもさばききれない量を抱えたとき、何を優先し、何を捨てて進めましたか」「準備していたやり方が途中で通用しなくなったとき、どう立て直しましたか」「正解が一つに決まらない問題に取り組んだ経験はありますか。どのように方針を決めましたか」といった聞き方です。

 学生なら部活動やゼミ、アルバイト、長期インターン、中途なら仕事の経験から、答えられる場面はいくらでもあるはずです。