ある日本の取引先が外資に買収されるらしい。買収する側は米国のファンドで、自国ではPE(プライベート・エクイティ)投資で勢力を拡大し、現業企業を買っては拡大しているらしい、と。

 米国でブルーカラーの賃金が高騰している。さらに、ブルーカラー出身の大金持ちが多発している。実際に、外資に買収された、日本にある取引先のオーナーはめでたくイグジットして大金持ちになったのだとか。

米国では町の修理業者も
事業を売却して資産を築く

 米国でも祖父がビジネスで大成功しているけれど、息子や孫がその事業に興味を示さない場合はありうる。たとえば祖父が石工で大成功しているのに事業として承継することに関心がない場合だ。

 祖父が人生を懸けてビジネスを拡大するも、子どもからすると職人とのやりとりが面倒だし、従業員とのコミュニケーションも煩雑だし、何より、現代に石工なんてやりたくねーよ、というケースはあるだろう。実際に日本でも一代で終わって廃業にいたるケースは多い。

 しかし米国では解決策が現れた。投資マネーが企業を買収し、統廃合を恐ろしい速度でまわしているのだ。

 企業の統廃合が進むとき、企業を売る側と、買う側がいる。売る側は、もちろんブルーカラー企業のオーナーだ。家族が継いでくれなくても売ればいい。しかも全株を売却しなくても、一部はオーナーが保有する形でもいいだろう。

 日本のイメージでは、企業を売却するなんて相当な大企業を想像するだろう。しかし企業売却が一般的な米国では、町の配管屋さん、空調修理屋さんなども対象だ。

 これらの業種の特徴は、プレイヤーの小規模さにある。配管や家庭器具の修理を実施する、いわゆるホームサービス業者は家族経営が基本で、雇用する従業員の数も少ない。

 同時に、不況になっても需要が根強い。景気が悪いからといって、風呂が壊れて真冬に水のままシャワーを浴びるひとはいない。またトイレを流さずに我慢するひともいない。