サイゼリヤは絶好調、ガストは店舗減だが…「形勢逆転」があり得る意外なワケPhoto:Diamond

物価高で外食チェーンの値上げが相次ぐなか、リーズナブルな価格設定でひときわ存在感を高めているのがサイゼリヤだ。一方、サイゼリヤと並んで「安いファミレス」の代表格だったガストは、かつてほどリーズナブルな印象はない。ファミレス二大巨頭とも言える両チェーンを比較し今後の動向を探ると、意外なシナリオが見えてきた。(A4studio 森田浩明)

SNSで「安すぎる」と称賛されるサイゼリヤ

 看板商品の「ミラノ風ドリア」は300円(税込)、グラスワインは100円(同)――。昔に比べれば多少の値上げはしているものの、低価格を維持しながら好業績を更新しているサイゼリヤは、SNSなどで「安すぎる」と称賛されることが多い。

 一方、すかいらーくグループのガストは、現在も店舗数では国内最大級ではあるものの、SNSなどで話題になることは比較的少ない。自慢の店舗数も、新しくグループ入りした「資さんうどん」など別ブランドに業態転換されるなどで微減傾向にある。

 サイゼリヤの好況と比較すると、現在のガストには陰りが見える。大げさに言えば、ファミレス業態においてサイゼリヤが「勝ち組」でガストが「負け組」といった印象も否めない。

 実際のところはどうなのか。外食ビジネスアナリストの三輪大輔氏に解説を仰ぎながら分析した。

近年のガストは店舗数が減少傾向…

 まず、サイゼリヤの業績は文句なしで絶好調だ。直近の7月15日発表、2026年8月期第3四半期決算(25年9月~26年5月)では、売上高が2213億3200万円(前年同期比17.5%増)、営業利益は133億2700万円(同25.6%増)と増収増益。

 国内事業だけを見ると、売上高が1498億100万円(同19.6%増)、営業利益は55億9200万円で前年の倍以上も伸ばしている。国内の店舗数は5月末時点で1063店であり、前年5月末に比べて12店舗増えた。

 一方、ガストの店舗数は26年1月時点で1230店あったが、8月時点では1202店と、28店舗減少している。

 サイゼリヤは業績好調で、ガストは店舗数を減らしているので、やはり勝ち組と負け組は明らか……と思いきや、三輪氏によれば「サイゼリヤがすごくて、ガストがダメという単純な話ではない」という。

 では、なぜサイゼはSNSなどでは“神扱い”されているのに、ガストは話題になりにくいのか。その違いについて三輪氏はこう説明する。

「サイゼリヤが高評価されている最大の要因は、『安さを守る』という消費者との約束を貫いてきたことにあります。物価高のなかで低価格を維持するのは簡単ではありません。そのための企業努力も消費者に伝わっている。そうした姿勢が評価され、サイゼリヤへの信頼につながっているのでしょう」

 サイゼリヤの場合、企業側が公式で発信しなくても、消費者のSNSで「1000円で大満足」といった投稿が自然発生的に広がっていくという。