10年前、川崎重工業の新幹線車両工場を視察し、握手する安倍晋三首相(当時)とインドのナレンドラ・モディ首相 Photo:JIJI
破格の円借款を引き出したインドが日本に突きつけた「まさかの要求」
日本の新幹線技術を導入するはずだったインドの高速鉄道計画が、日印の深刻な対立を生んでいる。
英「フィナンシャル・タイムズ」紙(以下、FT)は10月6日、インド初の高速鉄道建設をめぐり、日本とインドの対立が表面化したと報じた。開業の遅れ、膨らむ費用、そして調達をめぐる激しい争いである。
インド西部のムンバイとアーメダバードを結ぶ全長508キロメートルの高速鉄道計画は、2015年、安倍晋三首相(当時)とナレンドラ・モディ首相のもとで合意された国家的プロジェクトだ。
日本側は破格の支援条件を示した。総事業費の大部分を日本が融資し、金利は年0.1%、返済期間は50年、しかも、15年間の据置期間がある。さらに、世界最高水準の新幹線技術を導入し、インド人技術者の育成や現地製造業の振興にも協力する。
ところが、当初2023年を予定していた開業は実現せず、総事業費は当初の約9800億ルピー(約1兆6400億円)から、少なくとも1兆8700億ルピー(約3兆1200億円)へと約2倍に膨張した(円換算は執筆時のもの。以下同様)。
遅延の主な要因は、インド国内の土地収用の遅れだった。インド鉄道省も「マハラシュトラ州における土地収用の遅れが2021年まで事業に影響した」と認めた。
ムンバイ―アーメダバード間高速鉄道計画の建設現場を写した空撮写真(2026年6月29日) Photo:AFP=JIJI







