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「そうなんですね」「ご自由になさってください」……丁寧な言葉を使っているつもりでも、相手には馴れ馴れしい、あるいは拒絶されていると受け取られることがある。部下が上司に敬語を使うのも、尊敬ではなく「距離を置きたい」というサインかもしれない。 さらに、初対面で住まいや勤務先を尋ねるのも、相手を不快にさせる原因になりかねない。職場や取引先で信頼を損なわないために知っておきたい、相手との距離感を間違えない話し方とは。※本稿は、マナー講師の諏内えみ『大人がしている 気くばりのある話し方』(明日香出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
目上の人には使わないほうがいい
定番の相づちに潜む落とし穴
「そうなんですね」――相手の話を聞く相づちとしてよく使われる表現ではないでしょうか。それに伴い、「目上の人には失礼な言い方ではないのか」と、昨今話題になることも少なくない言葉です。私のスクールの生徒さんからも「先生、これってマナー違反と聞くのですが本当ですか?」と質問されることがあります。多くの方が違和感を持ちつつも使ってしまっているのが「そうなんですね」という相づちです。
では、違和感を覚えるのはなぜでしょうか。「ですね」には、相手と同等のクラス、同ランクに立つ響きがあるからです。対等な関係であれば自然な表現ですが、目上や顧客に向けた瞬間、距離を詰めすぎてしまい、そこに馴れ馴れしさが生まれます。語尾の「ね」というフランクな表現のせいで砕けた日常会話のような印象を与えてしまうのです。特に「そうなんですねー」と語尾を伸ばすと、柔らかさとして受け取られるのではなく、さらにカジュアルさを増すことになります。
丁寧なつもりが、「軽く扱われた」という感覚を帯びるのです。言葉の内容ではなく、語尾のたった一文字が、相手との距離感を大きく左右する。それが日本語の繊細さであり、難しさでもあります。







