では、何と言い換えるのが適切でしょうか。「そうでいらっしゃいますか」「そうだったのですか」――これらは相手を立てる姿勢が明確になります。「そうでしたか」も堅すぎず、しかし失礼にもなりません。「さようでございますか」にすると、よりフォーマル度は高まります。
取引先との商談、役員との面談、フォーマルな場面で適した相づちを持っているかが、あなたの評価を左右します。相手との距離感に応じて使い分けることが大切です。
「ですね」は便利ですが、信頼を削っていくことも少なくありません。言葉の距離感は、関係性の距離感をそのまま映し出します。本人はどれほど誠実な気持ちで接していても、言葉選びを誤ると意に反して伝わることがあります。だからこそ、語尾の一文字にまで意識を向ける習慣が、私たちには必要なのです。
部下が話す敬語の真意は
「尊敬」のみとは限らない
「〇〇君は常にきちんと敬語を使ってくれる」「うちのチームの若い子たちは、私にずっと敬語で話してくれ、上司として尊敬されている」――節度を持った部下の姿勢、それは喜ばしいことでしょう。確かに敬語は「あなたを尊敬しています」「敬意を持って接しています」という表れでもあります。
しかし、敬語にはもうひとつの意味があるのです。それは、“距離を置きたい”相手への言葉づかい。ですから、前者だと思いこみ「敬語を使ってくれる」「尊敬されている」「丁寧に扱われている」と喜んでしまうのは、時に痛い勘違いとなるかもしれません。
例えば夫婦喧嘩の際。険悪なムードになると……急に「そうですか」「ご自由になさってください」「結構です」「お好きにどうぞ」と敬語に!
これはもちろん尊敬ではなく、明らかな「拒絶」や「心理的距離」の提示。これこそが境界線の宣告となるのです。世の男性方が「奥さんが敬語になると怖い」「何だかわからないけど怒っているみたいだ」と感じるのは無理もありませんね。
また、やけに親しくしてくる困った先輩や取引先の方に対しても敬語は有効です。「今週空いてる日ある?ごはんどお?」「お疲れさん!飲みに行こうか?」と馴れ馴れしく言われた相手に対し、「申し訳ございません。既に予定が入っておりお供できかねます」など、あえてビジネス定型文で叩きつける、というのも品格を保ったまま自分を守る、戦略的な敬語の使い方でしょう。







