パソコンの前で頭を抱える女性写真はイメージです Photo:PIXTA

目標を達成するために絶え間なく努力を重ね、少しでも良い結果を出そうとする人は多い。ところが、がむしゃらに頑張るほど視野が狭くなり、かえって成果を遠ざけてしまうことがあるという。努力を結果につなげる人とそうでない人の違いは、どこにあるのか。※本稿は、サイエンスライターのニック・トレントン著、林田レジリ浩文訳『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

高い目標はそのままで
「完璧主義」を手放す

 多くの人は完璧を期す、ということが物事を円滑に進めるどころか停滞させてしまう経験をしているものです。完璧主義(perfectionism)は多くの場面で前進を阻害する原因になっています。

 そこで、完璧主義に対する新たな考えをご紹介しましょう。これはカナダ・オタワ大学の心理学の教授であるパトリック・ゴードロウによって提唱されたもので、向上主義(excellencism)(※)と呼ばれます。向上主義とは、自分に大きな達成目標を持つものの、その目標を持つことで自分の人生をマイナスに左右させない、という態度です。

(※)〈訳注〉excellencism、またexcellentismとも呼ばれる。まだ日本ではなじみのない心理学上の用語で、そのまま訳せば卓越主義辺りが妥当だが、完璧主義と対を成す言葉なのでここでは向上主義と訳した。

 うまくいかないときでも自分を悲観的に捉えることはせず、逆に失敗を前向きに捉えて、常にオープンな姿勢とイノベーティブな問題解決へとつなげるものです。完璧主義の錦の御旗を下すことで、人生に妥協することではないということです。