人はそんなプレッシャーに長く耐えていることはできません。

 ですから早く「完璧」というのは幻だと気づく方がいいのです。

 それよりも、目標が大きくてもささやかでも、それに向かっていつも最善を尽くし、自分が少しでも成長したらそれを心から認め、喜ぶ。それは白か黒、全てか無、とは対極の考え方です。こんなグレーゾーンを認識する態度こそが人生を豊かにしてくれます。

完璧主義は
成功への道ではない

 完璧主義は長い間、良いこととされてきました。しかし近年では、研究でもその有害性が明らかにされています。非の打ち所のない完璧さを目指すことは、不安や抑うつへとつながり、自己評価を著しく下げるようです(2015年、ストーバーの研究)。

 また、完璧主義は失敗への対処も難しくします。失敗を嫌がれば、それが引き延ばしや回避に容易に結びつくのは想像に難くありません。往々にして、完璧主義者は挑戦することから逃げてしまうことも多くなります。失敗への恐怖がそれほど大きいからです。そう考えると、完璧主義が成功への道なんて到底思えませんよね。

 それに比べると、向上主義はバランスの取れた、現実的なアプローチです。同じように高い目標は持つのですが、完璧主義のように自分を追い詰めたりしません。たとえ成長や進歩が一直線にいかなくても、前向きな心的態度を崩すことなくゴールに向かっていくという態度です。

 また失敗や停滞を恐れすぎることなく、それらを受け入れ、さらにそれを成長の糧にするのも成功への強力な後押しとなります。よく言われることですが、成長は目的地ではなくて、旅の過程なのです。そう考えると一歩ずつ良くなることは完璧であることよりも大切だと理解できます。

失敗を次に活かせる人が
成長し続ける

 例を挙げます。ある生徒がテストで良い成績を取りたいと思っているとしましょう。

 もし彼が完璧主義者なら、全てに最高の評価、ここではオールAを目指すことになります。そしてそれが達成できなければ意気消沈し、やる気を根こそぎ奪われてしまう可能性があります。