皆さんがスーパーで「安いな」と買っている一般的なもやしの正式名称は「緑豆もやし」。暗室に入れた緑豆を、温度や水分をコンピュータで厳格に管理しながら育成すると発芽して、10日ほどで収穫できる。その緑豆の日本の自給率は0%で、ほぼすべて海外から輸入している。そして、実はその大半を占めていたのは「中国産緑豆」なのだ。

 そう聞くと「どうせ安く買えるからでしょ」などと露骨に嫌な顔をする人も多いだろう。「中国産」と聞くと「安かろう悪かろう」というイメージが強く、特に食品関係になると農薬などで汚染されていると避ける人も少なくないだろう。

 しかし、もやしに限ってはそれは当てはまらない。例えば、もやし産出額が全国トップの栃木県にある生産者「上原園」のホームページにはこんな説明がある。

《タイ、台湾、中国、アメリカ、オーストラリアをはじめ、私たちは世界各地の産地を訪れ、農家や集荷業者の方々と交流を重ねました。その結果、特に中国東北部(内モンゴル自治区、吉林省、黒竜江省)産の緑豆が、最高品質の原料として選定されています。中国東北地方産「明緑豆」は、タンパク質の含有量が高く、太くて立派なもやしに仕上がります。もやしを実現しています》(上原園ホームページ)

 この中国の最高品質緑豆が、日本のもやしの品質を担保してきたのは動かし難い事実だ。世界各国の緑豆を見てきた前出・林会長も「世界中いろいろなところで緑豆は栽培されてますけど、やっぱり昔も今もやっぱり中国産緑豆の品質はナンバーワン」と太鼓判を押す。

中国農家に見限られた?
もやしの原料に起きた異変

 だが、そんなもやし生産に欠かすことができない、中国産緑豆の輸入がこの1年で激減している。

 農林水産省の農林水産物輸出入情報・概況によれば、2025年1月〜11月までの中国からの緑豆輸入量は2万4714トン。2024年1月〜11月が2万3793トンなので1000トンほどのプラスとなっていた。

 しかし、12月になると奇妙なことが起きる。