ディスプレイはツイン仕様。ドライバー正面に小さな液晶、センターには縦長の大型タッチパネルがレイアウトされている。EX30と同様に、物理スイッチがほぼ廃止され、操作系はほぼすべてセンターディスプレイに集約されている。ステアリングやドアミラーの位置調整もここで行う。最初はやや戸惑うが、慣れると便利。安全面を含め、人間研究に定評のあるボルボだけに、シンプルなだけでなく使いやすさもよく煮詰められている。各部の作りはフラッグシップと呼ぶにふさわしく、入念そのもの。ラゲッジは3列目が電動で倒せるようになり、フロントラゲッジ(フランク)はフタがなく使いやすくなった。

ロングツーリングでも疲れしらず。
静かで速く、快適

 今回は都内から栃木県の日光・中禅寺湖までを往復した。試乗車は最上級グレードのウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス。パフォーマンスは、フロントモーターが220kW、リアモーターが280kWを発揮する最強版。システム合計で最高出力は500kW(680㎰)、最大トルクは実に870Nmを誇る。0→100km/h加速も4.2秒と俊足だ。一充電走行距離は、WLTCモードで650kmを実現している。

 走り出すと、車両重量が2.7tを超えるヘビー級であることを忘れる。フラットで滑らかな走りに感心した。これには路面の状況に応じて機械的に減衰特性を変化させるFSD(周波数応答型ダンピング)機能が効いているに違いない。

 静粛性も圧倒的。すべてのウインドウを合わせガラスにした効果もあり、驚くほど静寂な車内を実現している。高速道路を巡行しても、風切り音はまったく気にならない。それほど静かなEX90には、車内の前後席間での会話を聞き取りやすくする機能まで装備されている。1列目と3列目で声を張らずに会話できるのは、やはり素晴らしい。

 高速道路では、先進運転支援機能の高い完成度も体感した。パイロットアシストの制御は自然で、コーナー手前では自動的に適宜減速してくれる。渋滞時のストップ&ゴーの待機時間が3秒から5秒に延長された点も使いやすさを高めている。