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今シーズンのインフルエンザは例年より1カ月以上早い、8月下旬に流行入りした。
これを受けて一部では、毎年10月に開始されるインフルエンザワクチンの定期接種を9月半ばから前倒しで実施してきた。対象は65歳以上の高齢者、60~64歳で循環器疾患の既往や自己免疫疾患がある人などだ。
ただし、今シーズンのインフルエンザによる入院例をみると、高齢者が多いのは当然として、10歳未満の割合も3割を超えている。小中学生では重篤な合併症例として、インフルエンザ脳症や心筋炎例が相次いで報告されており、子どももワクチン接種で重症化リスクを下げることが望ましい。
近年は生後6カ月以上19歳未満に対し接種費用を助成する自治体も増え、皮下注射を怖がる小児には“鼻スプレー式”のワクチンも用意されている。
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会が9月25日に公表した「経鼻弱毒性インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」によると、子どもについては皮下注射によるワクチン接種(13歳未満は2回接種、13歳以上は原則1回、または1~4週の間隔を置いて2回接種)か、鼻スプレー式(1回接種)での接種を推奨。ただし、重度のぜんそく患者、生後6カ月以上2歳未満の乳幼児には皮下注射を推奨している。
皮下注射がウイルスの感染性を失わせて作る「不活化ワクチン」であるのに対し、鼻スプレー式は病原性を弱めたウイルスを使う「生ワクチン」であるため、接種後1~2週間はくしゃみや咳の飛沫へウイルスが排出される可能性がある。家庭内に重病人や乳児に母乳をあげている母親がいる場合は、皮下注射の方が望ましい。とはいうものの、健康な人への影響は低いので登園・登校を制限する必要はない。
ワクチン接種以外の予防法は、おなじみのマスク装着とうがい、人混みを避ける感染症対策だ。なにせコロナ禍の2020~22年は一人ひとりが感染症対策を徹底した結果、2シーズン連続でインフルエンザ・ゼロ流行を達成した実績があるのだから。
その反動で子どもたちの抗体保有率が低下してしまったのは皮肉だが、空白を補完するためにもワクチン接種を検討する価値がある。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)







