とても幸運なことに、何度か見失うかもしれないという場面がありながらなんとか追いかけ、ホテルへの2人の出入りを撮影することができました。
要因として市街地から離れた郊外で、昼過ぎの時間帯で交通量が少なかったことと、道幅が狭くバイクがすり抜けしにくかったことがあります。ただただ、幸運だったと思います。
夕方、沙織さんは何事もなかったように自宅へ戻り、娘さんの習い事の送り迎えをしたそうです。
妻と浮気相手の接点
離婚したら…夫が一番気にしていること
後で分かったことですが、沙織さんの浮気相手は沙織さんのパート先に出入りしていた業者の担当者でした。
そして2人の連絡に使われていたのは、メッセージアプリではありませんでした。
スマートフォンの決済アプリに付いている、チャット機能という意外な連絡手段を使っていたのです。
送金や立て替えのやりとりに短い言葉を添えられる機能で、本来は「ありがとう、助かりました」といった連絡に使われるものです。
健一さんは、沙織さんのスマートフォンの画面をのぞいたことは一度もありませんでした。それは堂々とスマートフォンをテーブルなどに置いていたため、疑いの対象にはならなかったのです。
けれど、もし見ていたとしても気づかなかったはずです。買い物に使うアプリの中に、2人の会話が置かれていたのですから。
健一さんは、報告書を見てしばらく黙っていました。
そして「離婚したら、娘はどうなるんでしょうか?」と聞いてきました。この一言が、健一さんの本当の悩みでした。
私は探偵です。調査をすることが仕事なので答えを持ち合わせていません。
その場で結論を出さず「どうしたいのかをしっかり考えてください」とだけ伝えて、数日空けてから連絡しました。
健一さんは「娘のために、はっきりさせます」と答えました。
私は、信頼できる弁護士を紹介しました。







