伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。と聞くと、デザイナーやクリエーターにしか関係ないもの、と思っていませんか? それは違います。もったいない。どんな仕事でも、いや、私生活においてでも、この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。僕は15年前から、さまざまな事象を、チャート図解を用いて構造オチに落とし込む「分類王」として、雑誌やWEBでクリエイションを発表してきました。なかでも、もっともビジュアルに凝り一種のART作品という認識で、『編集会議』に30回にわたり発表していたのが、この連載で例題としてあげていく「発想するインフォグラフィック」です。このビジュアルは情報をよりわかりやすくという枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。
『地アタマ3部作』の総仕上げ
インフォグラフィック思考
みなさまこんにちは。すでにダイヤモンド・オンラインでは2年間隔週で連載させていただいていますが、サイトの本流とは少し趣を異にしたこと(笑)をやってきましたから、今回初めましての方も多いかと思います。
ある程度同じネタについて書くと、自分自身で違うことをやりたくなる性質につき、今回から、3ネタ目となるこの連載をスタートさせます。
1回目は、「こちら[スキル依存症]クリニック〜 “地アタマ力”UPに効くチャート思考的相談室〜」を15回。2回目は、「ダージャリスト・石黒謙吾の 「科学するダジャレ」〜地アタマが良くなる知的メソッド」を35回。
そして今回は、ある情報をグラフィカルにわかりやすく見せる「インフォグラフィック」の実例を見ていただきながら、その発想と構造的な考え方について解説していく企画。自分で言ってしまいますが、これは発想を広げるためには相当に地アタマに効く斬新なもの。これで「地アタマ3部作」完成といえましょう。
今回は、自分としては大好物なオモシロ風味はぴしゃっと封印しますね(たまにこぼれ出たらすみません…)。
まず内容説明の前に毎回どういうものが教材になるのかというと、こういうインフォグラフィックです。
拡大画像表示
これらを見ていただき、「何から見せ方のアイデアを思いつき、完成形に落とし込んでいったか」を、(1)教材となるビジュアル、(2)ビジュアル制作依頼のラフ、(3)発想から定着への思考フロー図、という3つの画像とともに、専門的な用語などは使わず、平易な言葉だけで解説していきます。