「優秀な」リーダーが率いるチームは、
どんどんパフォーマンスを落としていった
しかし、どんな業界、チームでも「常に好調であり続ける」のは不可能です。どんなチームにも好不調の波はあります。その彼のチームも徐々に業績を落としていきました。そんなときこそ「どうやって盛り返そうか」とメンバーみんなで話し合い、打開策を見つけていかなければなりません。
ところが、彼のチームには「リーダーの強い指示」以外に武器はありませんでした。部下たちにしてみれば、リーダーの存在感は強烈で「余計なことを言っても、論破されるし、怒られる」という印象があり、「言われたことをやっていればいい」という精神状態になっていました。
しかし、ビジネス環境がめまぐるしく変わる世の中では、「一人の考え」「一人の指示」だけで乗りきろうというのは非常に難しい話です。ちょっと不振に陥ると、途端にチームが停滞し、「この人についていって大丈夫かな?」という空気が流れ出します。彼のチームにも同じような空気が流れ、チームのパフォーマンスは見る見る落ちていきました。
結局、この「個人として優秀」だった彼はリーダーを降ろされ、別の部署に配属されることになったのです。